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柴崎竜人さん「あした世界が、」 [本☆☆]


あした世界が、 (小学館文庫)

あした世界が、 (小学館文庫)

  • 作者: 柴崎 竜人
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2017/04/06
  • メディア: 文庫



タイムスリップものです。込められたメッセージが心に響きます。

業界大手の音楽会社に勤める主人公・吉山朗美(よしやまろみ・28)は、高校の同級生で、かつてはスーパースターだったロック歌手・絹川空哉(きぬかわそらや)が、社長からの契約解除の宣告に怒り狂い、事務所に乗り込んでくる姿を目にする。
同じ日、極度のあがり症にも関わらず、全社報告会でプレゼンテーションを任された朗美は、壇上で気を失ってしまう。
目を覚ますと、なぜか高校時代の制服を身に着けた朗美を、あの絹川空哉と、世界的ヴァイオリニストになった深山蓮(みやまれん)、そして死んだはずの父親が心配そうに見下ろしていた。
いったい、どうなってるの?
勇気が必要な方を選ばないと、人は後悔する。
恋はいつだってブサイクだ。
思わず本を抱きしめたくなる、突き抜けるラストに乞うご期待!!
(出版社HPより)

「迷ったときは、いつも勇気が必要な方を選べ。そうすりゃ後でぜったい後悔しねぇから」
本書のテーマはこれでしょう。

タイムスリップに、恋や親子愛に音楽を絡めて思春期の屈折や不安や悩みを描いています。
そんでもってキラッキラの青春。

気持ちが軽くなる読後感でした。

父娘の和解のシーンもよかったです。

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津村記久子「この世にたやすい仕事はない」 [本☆☆]


この世にたやすい仕事はない (新潮文庫)

この世にたやすい仕事はない (新潮文庫)

  • 作者: 津村 記久子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/11/28
  • メディア: 文庫



お仕事小説と呼ぶには特殊すぎる…そこが津村さんの作品の特長なんでしょう。

「みはりのしごと」「バスのアナウンスのしごと」「おかきの袋のしごと」「路地を訪ねるしごと」「大きな森の小屋での簡単なしごと」の5編が収められています。

「一日コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますかね?」ストレスに耐えかね前職を去った私のふざけた質問に、職安の相談員は、ありますとメガネをキラリと光らせる。隠しカメラを使った小説家の監視、巡回バスのニッチなアナウンス原稿づくり、そして……。社会という宇宙で心震わすマニアックな仕事を巡りつつ自分の居場所を探す、共感と感動のお仕事小説。芸術選奨新人賞受賞。
(出版社HPより)

職安で紹介されるありそうでなさそうな仕事を主人公がひたむきに向き合います。

前職で燃え尽き症候群(バーンアウト)してしまった主人公は、仕事にのめり込むことに対して腰が引けています。けれども真面目さ(と恐らくは優秀さ)ゆえに簡単な短期仕事でもいつしか、職場に「爪痕」を残すような仕事をします。

登場する仕事仲間が皆好意的で、仕事の内容や環境や給料も大事だけど、一番重要なのは人なのかなと思わされた作品です。

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上田早夕里さん「魚舟・獣舟」 [本☆☆]


魚舟・獣舟 (光文社文庫)

魚舟・獣舟 (光文社文庫)

  • 作者: 上田 早夕里
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/01/08
  • メディア: 文庫



「オーシャンクロニクル・シリーズ」と呼ばれる海洋SF小説をはじめとする短編集です。
本格SF、ホラー、ファンタジー、ミステリとバラエティに富んだ作品群と相変わらずの想像力に溢れた世界に圧倒されます。

「魚舟・獣舟」「くさびらの道」「饗応」「真朱の街」「ブルーグラス」「小鳥の墓」の6編が収められています。

現代社会崩壊後、陸地の大半が水没した未来世界。そこに存在する魚舟、獣舟と呼ばれる異形の生物と人類との関わりを衝撃的に描き、各界で絶賛を浴びた表題作。寄生茸に体を食い尽くされる奇病が、日本全土を覆おうとしていた。しかも寄生された生物は、ただ死ぬだけではないのだ。戦慄の展開に息を呑む「くさびらの道」。書下ろし中編を含む全六編を収録する。
(出版社HPより)

なんといっても「魚舟・獣舟」の世界観に引き込まれます。魚舟、獣舟と海に暮らす海上民との関係性は予想をはるかに超えるものでした。

その勢いで「くさびらの道」を読んで衝撃を受けました。怖い…。

この2作以外の作品も強いイマジネーションと世界観を楽しみました。

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千早茜さん「おとぎのかけら 新釈西洋童話集」 [本☆☆]


おとぎのかけら 新釈西洋童話集 (集英社文庫)

おとぎのかけら 新釈西洋童話集 (集英社文庫)

  • 作者: 千早 茜
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/08/21
  • メディア: 文庫



放送終了してしまったゴロウデラックスでカリスマ書店員の新井見枝香さんがお勧めしていたので読んでみました。

「迷子のきまり-ヘンゼルとグレーテル-」「鵺の森-みにくいアヒルの子-」「カドミウム・レッド-白雪姫-」「金の指輪-シンデレラ-」「凍りついた眼-マッチ売りの少女-」「白梅虫-ハーメルンの笛吹き男-」「アマリリス-いばら姫-」の7編が収録されています。

母親から育児放棄されかけている幼い兄と妹は、花火大会の夜にデパートでわざと迷子になる。公園で出会った女に連れて行かれたマンションで待っていたのは、甘いケーキと、そして…(迷子のきまり ヘンゼルとグレーテル)。「白雪姫」「シンデレラ」「みにくいアヒルの子」など誰もが知る西洋童話をモチーフに泉鏡花文学賞受賞作家が紡いだ、美しくも恐ろしい七編を収録した短編集。
(「BOOK」データベースより)

西洋の有名な童話を現代日本に舞台を置き換えています。
牧歌的で良心的で教訓めいた童話が現代の悪意に溢れた残酷な物語になっています。

昔々、背伸びをして倉橋由美子さんの『大人のための残酷童話』を読んで毒気に当てられたことを思い出しました。

エロティックで毒々しくてダークな結末が並ぶ作品の中に「金の指輪」や「アマリリス」といったほっとするエンディングの物語があり、構成の妙が感じられました。

毒の強さでは倉橋由美子さんに軍配が上がるように思いました。

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石持浅海「二千回の殺人」 [本☆]


二千回の殺人 (幻冬舎文庫)

二千回の殺人 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 石持 浅海
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2018/10/10
  • メディア: 文庫



死屍累々。

復讐の為に、汐留のショッピングモールで無差別殺人を決意した篠崎百代。最悪の生物兵器《カビ毒》を使い殺戮していく。殺される者、逃げ惑う者、パニックがパニックを呼ぶ史上最凶の殺人劇。
(出版社HPより)

動機はともかく、手段が滅茶苦茶です。

そもそも、愛する婚約者を失った百代の狂気はともかく、百代に協力する「五人委員会」はそれぞれの思惑はあったとしても同調する理由にはならないと思います。知性はあっても理性はないってこと? 登場人物たちには幻滅を通り越して嫌悪感さえ覚えました。

石持さんらしいミステリは欠片もありません。ただ流されていくだけ。

唯一、面白く思えたのは計画するにあたって「五人委員会」の知識を総動員して身近な素材から毒物を生成して、いかに「効率的に」殺害するかを人間行動学やマーケティングをベースにするというものでした。

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朝井まかてさん「眩(くらら)」 [本☆☆☆]


眩 (くらら) (新潮文庫)

眩 (くらら) (新潮文庫)

  • 作者: 朝井 まかて
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: 文庫



葛飾北斎の娘で絵師だった応為(お栄)の半生を描いた物語です。骨太!

あたしはただ、絵を描いていたいだけ。愚かな夫への軽蔑、兄弟子への叶わぬ恋、北斎の名を利用し悪事を重ねる甥――人生にまつわる面倒も、ひとたび絵筆を握ればすべて消え去る。北斎に「美人画では敵わない」と言わせ、西洋の陰影表現を体得し、全身全霊を絵に投じた絵師の生涯を圧倒的リアリティで描き出す、朝井まかて堂々の代表作!
(出版社HPより)

以前に北斎を主人公にした小説(なんだったかな)を読んだときに娘の描写があった記憶はあるんですが、印象が薄かったです。
ですが、北斎の製作にも関わっていただけでなく、自らも相当の作品を残しているそうで、それほど史実には残っていないであろう応為の人生を描き切っている朝井さんの想像力と筆力に感服しました。

ただ画家としての日常だけでなく、己の才能への鬱屈や兄弟子である善次郎(渓斎英泉)への想いや日々の生活の情景も描かれ、江戸時代なのにリアリティを感じてしまいます。


表紙にもなっている「吉原格子先之図」の陰影の深みが写実以上のリアリティさを感じます。西洋画を研究し尽くして自分の絵に昇華させたひとつの結実です。

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魚焼きグリルで焼きおにぎりを作ってみました [料理]

家事ヤロウで紹介されていた、魚焼きグリルで作る焼きおにぎりに挑戦しました。
https://www.tv-asahi.co.jp/kajiyarou/backnumber/0076/

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めんつゆ大さじ4とごま油小さじ2をボウルに入れ、ごはん240gをさっくり混ぜます。白ごま2つまみを混ぜます。
魚焼きグリルにアルミホイルを敷いて、ラップで握ったおにぎりを並べて強火で4分焼きます。ひっくり返して4分焼いたら出来上がり!

あらかじめ、めんつゆとごま油で和えるのがキモですね。味が濃すぎないようにする加減が難しいですが、食べたときのごま油の香りが食欲をかき立てます。逆にごま油が多いと胸焼けします。

ちょっと高さがあると火に近づきすぎて焦げてしまいます。薄くするのがポイントです。

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キーコーヒーさんから株主優待をいただきました 2019冬 [株主優待]

ありがとうございます[わーい(嬉しい顔)]

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ドリップオン「スペシャルブレンド」「トラジャブレンド」、SINCE1920ブレンドです。

SINCE1920シリーズは、キーコーヒー創業100周年記念商品です。
https://shallwedrip.com/product/since1920.html
創業当時の製法に磨きをかけた、懐かしくも新しい味わいのブレンドコーヒーなんだそうです。
中煎りで、酸味が中間、苦みとコクが軽めということなのでさっぱりと飲みやすい味わいなんでしょうか。
開封が楽しみです。

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恩田陸さん「八月は冷たい城」 [本☆☆]


八月は冷たい城 (講談社タイガ)

八月は冷たい城 (講談社タイガ)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/10/24
  • メディア: 文庫



というわけで『七月に流れる花』を読み終えてすぐに読んでみました。いわゆる上下巻の体裁です。

夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。ともに城を訪れたのは、二年ぶりに再会した幼馴染みの卓也(たくや)、大柄でおっとりと話す耕介(こうすけ)、唯一、かつて城を訪れたことがある勝ち気な幸正(ゆきまさ)だ。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数――不穏な空気が漂うなか、三回鐘が鳴るのを聞きお地蔵様のもとへ向かった光彦は、茂みの奥に鎌を持って立つ誰かの影を目撃する。閉ざされた城で、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き……? 彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。短くせつない「夏」が終わる。
(出版社HPより)

『七月に流れる花』でなぜ少年少女が城に集められるのかが明かされ、本作でより広い世界観や「みどりおとこ」の謎が明かされます。

夏草の生い茂る古城での共同生活というのどかな環境と対照的なダークファンタジーさが強く印象に残りました。
更には少年たちを襲うホラー的展開とミステリ要素が重なり、上手いなあと思いました。

ひと夏の成長物語とも取れなくはないかな。

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恩田陸さん「七月に流れる花」 [本☆☆]


七月に流れる花 (講談社タイガ)

七月に流れる花 (講談社タイガ)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/09/20
  • メディア: 文庫



ノスタルジックでホラーの要素を持ったファンタジーです。
けれども、この本単体では評価しづらいです。

坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。
坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。城には三つの不思議なルールがあった。鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。水路に花が流れたら色と数を報告すること。少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。
(出版社HPより)

坂道と石段の多い地方都市で夏を過ごすミチル、と思ったら全身緑色をした「みどりおとこ」に連れられて蔦で覆われた夏流城で同年代の少女たちと共同生活を送ることに。
そこでは様々なルールが課せられます。
展開が謎過ぎます。なんなん?「みどりおとこ」って。

やがて夏流城に籠る理由が明かされるのですが、唐突すぎます。
転送してきたばかりのミチルの視点なので、情報が全く与えられていない状況ではあるのですが、冒頭でちらっとでも匂わせていれば納得できたかもしれません。

物語が進むにつれて明らかになるのですが、構成に難があるように思いました。

種明かしをされて、ファンタジーからSFに転じましたが、なるほどと納得しました。
恩田さんらしい世界観です。

どうやら続編らしき『八月は冷たい城』とワンセットで読まないといけないようです。

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