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北村薫さん「ニッポン硬貨の謎」 [本☆☆]


ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件 (創元推理文庫 (Mき3-6))

ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件 (創元推理文庫 (Mき3-6))

  • 作者: 北村 薫
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/04/20
  • メディア: 文庫



北村薫さんのファンの方には申し訳ないですが、個人的にはどうも…。
久しぶりに北村さんの小説を読むという期待と、エラリー・クイーンのパスティーシュ作品という内容にギャップがありました。作品自体は面白かったんですが。。。

北村さんの許にミステリーの巨匠・エラリー・クイーンの未発表作品が持ち込まれ、翻訳したという体裁をとっています。

1977年、日本の出版社に招かれてアメリカの名探偵エラリー・クイーンが来日します。その滞在中に幼児を狙った連続殺人事件が発生します。ふとしたきっかけでその事件に関わることになったエラリーは事件の法則性を見破り、事件解決に協力することになります。
一方、大学生でミステリマニアの小町奈々子は、バイト先の書店で奇妙な客に遭遇します。50円硬貨を20枚を千円札に両替してくれというものです。
奈々子はエラリーの東京観光のガイドを引き受けることになり、世間話のついでにその奇妙な出来事を話し、予想外の展開になっていきます。

エラリー・クイーンのパスティーシュ作品に、外国人による日本探訪記の趣きを加えることでそれなりに面白い小説になっていると思います。異邦人による勘違いに思い込みに発見が小説中にちりばめられています。それらや古典からの引用などが章末に脚注(北村さん自身で書いているだけに、ボケツッコミ?)が付けられているのも「それっぽい」感じを出していると思います。
若竹七海さんが書店のバイトで実際に体験したという50円硬貨を20枚を千円札に両替してくれという謎(『競作 五十円玉に十枚の謎』で多くの作家が推理を披露しています)を作品中に取り込んだりと遊び心にあふれています。

ただ、ミステリとしてはどうなんでしょう。犯人探しも、犯人の動機もあまりしっくりきませんでした。

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