三浦しをんさん「政と源」 [本☆☆]
このレーベル(集英社オレンジ文庫)の本でシニアが主人公…なにか計算があるのか。
「政と源」「幼なじみ無線」「象を見た日」「花も嵐も」「平成無責任男」「Y町の永遠」の6編が収録されています。
東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが――。当年とって七三歳の国政と源二郎は、正反対の性格ながら、なぜか良いコンビ。水路のある下町を舞台に老人パワーを炸裂させるふたりの、痛快で心温まる人情譚!
(出版社HPより)
つまみ簪職人の源二郎と元銀行員の国政は下町で生まれ育った73歳です。
国政はリタイヤして悠々自適な老後をと思っていたら、奥さんが娘の家に行ったっきり戻りません。
片や奥さんと死別した源二郎は弟子とその恋人と楽しくやっています。
性格が真逆な江戸っ子の二人が角突き合わせながら一致団結して物事に当たります。
三浦さんらしく登場人物の掛け合いは面白く、地の分はさらに面白く、それでいて結末ではしっかりと考えさせられます。
これぞ大団円という結末に、拍子木の音と一緒に緞帳が下りてくるイメージがありました。
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