伊坂 幸太郎さん「アイネクライネナハトムジーク」 [本☆☆]
伊坂さんには珍しい、恋愛をテーマにした連作短編集です。
テーマがなんでも、伊坂さんらしさは変わらず楽しめます。
「アイネクライネ」「ライトヘビー」「ドクメンタ」「ルックスライク」「メイクアップ」「ナハトムジーク」の6編が収録されています。
ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。
奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、他力本願で恋をしようとする青年、元いじめっこへの復讐を企てるOL……。
情けないけど、愛おしい。
そんな登場人物たちが紡ぎ出す、数々のサプライズ!!
伊坂作品ならではの、伏線と驚きに満ちたエンタテイメント小説!
(出版社HPより)
物語ごとに主人公が変わるのですが、連作という体裁をとっています。
人と人が出会い、交錯してなにかが起こる、でも大掛かりなものではなく、なんてことのないエピソードの積み重ねと何気ない会話の遣り取りで物語が流れるのですが、それがしっかりと伏線になっています。
このあたりの仕掛けがうまいです。
殺し屋もアクの強いキャラも出ませんが、却って気楽に物語を楽しむことができました。
最後の「ナハトムジーク」は総まとめ的な作品で、「あれ、誰だっけ?」という人もちらほら…。
映画化されるようです。うん、イメージ通りのキャストです。
https://gaga.ne.jp/EinekleineNachtmusik/
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