穂高明さん「むすびや」 [本☆]
商店街にあるおむすび専門店を舞台にした連作短編です。
就職活動で全敗し、家業のおむすび屋を手伝うことになった結。実家の商売に子供の頃からコンプレックスを抱いてきた結だが、おむすび作りに実直に向き合う両親の姿を目の当たりにし、気持ちに変化が訪れる。「結」という名前に込められた、亡き祖母の想いも前途を温かく照らしだす―。一人の青年の新たな出発を描いた成長物語。
(「BOOK」データベースより)
おかか、梅、生たらこ・焼たらこ、鶏そぼろ、糠漬け、キムパブ、鮭、赤飯、昆布、きゃらぶき、筋子、かやく、塩むすび、と具材の多さは魅力的ですね。
こんなおむすび屋さんが近くにあったらいいなあ、と思います。
商店街の人たちとのふれあいや幼馴染や友人との友情、家族の愛情など心温まる作品ではあるのですがみんながみんないい人だけということや物語にメリハリが感じられません。
各編に主人公の結や同じ商店街の同年代を配して、廃れつつある商店街と店を継ぐことの葛藤を描いているのですが、それぞれが淡泊すぎて伝わってこないのが残念です。
作中で提示された客足の謎も未解決のままだったし。
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