青崎有吾さん「体育館の殺人」 [本☆☆☆]
デビュー作とは思えない出来栄えです。
密室トリックは意外といえば意外。成り行きといえばそう。。。
風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。外は激しい雨で、密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に──。“平成のエラリー・クイーン”が、論理に磨きをかけて読者に挑戦! 第22回鮎川哲也賞受賞作
(出版社HPより)
卓球部員の柚乃が嫌疑をかけられた卓球部長を救うために、頭脳明晰と言われている裏染天馬を探し出し、真相の解明を頼みます。
学園ミステリかと思ったら、本格ミステリでした。
地道な情報収集から緻密な推理で卓球部長の無実を証明し、さらに真犯人にたどり着く展開は読み応えがありました。
雨に降りこめられた体育館という密室トリックも、計画的に遂行されたと思われた殺人も証言と状況証拠と遺留品から次々に解き明かしていきます。
更には終章で思ってもいなかった真相が明かされます。
多くの容疑者や関係者が登場するのですが、それぞれにキャラクターが立っていて小説を読む楽しみもありました。
中でもアニメオタクで駄目人間の裏染天馬は私生活のほうはツッコミどころ満載です。アニメネタはまったくわかりませんでしたが ^^;
続編も楽しみです。
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