森谷明子さん「花野に眠る (秋葉図書館の四季) 」 [本☆☆]
シリーズ第2弾です。
探偵役の影が薄くて、初めの頃の初々しさのようなものが感じられませんでした。
「穀雨」「芒種」「小暑」「白露」「寒露」の5編が収録されています。
れんげ野原のまんなかにある秋葉図書館は、今日ものんびりのどか。新人司書の文子の仕事ぶりも、板についてきた。けれど、図書館を訪れる人たちには、人知れぬ悩みがあるようで……やっぱり、毎日ふとした謎が湧きおこる。そんななか、図書館の隣地から古い白骨死体が! 季節のうつろいを感じながら、またまた頼もしい先輩司書の助けを借りて、文子は謎解きに挑むが……。すべての本好き、図書館好きに捧げる、やさしいミステリ!
(出版社HPより)
連作短編ですが、すべてのストーリイが繋がっている、という創元推理文庫お得意のパターンです。
図書館を舞台に起こる「日常の謎」系ミステリですが、芯にあるのは図書館の隣地で見つかった白骨死体です。
相当に古いその死体は時代に翻弄された過去を物語るものでした。
地方都市を舞台にした物語は新人司書の文子や同僚といった同年代だけでなく、地主の秋葉氏など文子の祖父に近い世代もいて、連綿と続く時間軸・年代的な奥行きもあります。
次作も楽しみなシリーズです。
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