吉永南央さん「まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ」 [本☆☆]
「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ第5弾です。
先の見えない重苦しい展開でしたが、永年のわだかまりが解けるラストにほっとしました。
「母の着物」「探しもの」「冷や麦」「夏祭り」「まひるまの星」の5編が収められています。
北関東の小さな町で、コーヒー豆と和食器を扱う店「小蔵屋」を営むおばあさん、杉浦草。
人生経験と、丁寧に紡いできた人間関係を通して、街で起こる事件のあれこれを解決に導いてきたが、ある日、町の山車蔵の移転問題がもちあがり、小蔵屋の敷地が第一候補に。
町内の話し合いが必要だが、草は亡き母の遺言で「うなぎの小川」にだけはこの二十年行くことができず、移転問題の話し合いが思うようにいかない。
かつては親友だった「うなぎの小川」の女将とお草の母の間に、一体なにがあったのか。祭りの音が響く真夏の紅雲町を歩き回るうち、お草は町全体に関わる過去のある重い事実にたどり着く。
ほっこりとあたたかな日常の奥に覗く闇がドキドキさせる、ヒットシリーズ第5弾。
(出版社HPより)
町内会の山車蔵の移転がきっかけになって永年の懸案事項が紆余曲折を経て解決します、
こういうことってありますよね。
ただ、すこしヘビーでした。
「うなぎの小川」の女将とお草さんの母の仲違いの原因となったものについて、なんとなく「これかな」と当て推量はつくのですが、お草さんらしい決着のつけかたに納得しつつも危ういものも感じました。
小蔵屋で働く久美や、運送屋の寺田などお草さんが信頼を寄せる仲間の手助けや、友人の由紀乃との他愛もない遣り取りが暗雲を払ってくれるように感じました。
ずっと続いてほしいシリーズです。
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