新海誠さん「小説 言の葉の庭」 [本☆☆☆]
映画の空気感はそのままに、より深い物語世界を味わえます。
また会うかもね。もしかしたら。雨が降ったら―。雨の朝、静かな庭で2人は出会った。靴職人を志す高校生の孝雄と、謎めいた年上の女性・雪野。迷いながらも前に進もうとする2人は、どこへ足を踏み出すのか。圧倒的な支持を受けた劇場アニメーション『言の葉の庭』を、新海誠監督みずから小説化。アニメでは描かれなかった人物やエピソードを多数織り込み、小説版ならではの新たなる作品世界を作り上げた傑作。
(「BOOK」データベースより)
映画では孝雄と雪野のほぼ2人の逢瀬と生活のシーンだけでしたが、小説では孝雄の母と兄、兄の恋人、雪野の同僚であり元恋人といった人々の視点で彼らが描かれていて、孝雄と雪野の姿がよりくっきりと浮かび上がってきます。
靴職人を目指す孝雄と雨の公園の東屋で朝からビール缶を傾ける雪野との出会いと互いが惹かれていく様子と別れが万葉集の歌をベースに丁寧に描かれます。
その光景の描写は映画の緻密な描写に劣らず鮮やかにイメージができます。平易で彩りのある文章ゆえかもしれません。
また、映画とは違う(ような)小説版のエンディングは2人の希望にも取れ、清々しい読後感でした。
小説を読むことで原作(?)の映画の見方が変わるかもしれません。
もう一度映画を見てみよう。
雨の新宿御苑がモデルになっています。近いし、行ってみようかな。
巡礼者がたくさんいそうですが。。。
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