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本多孝好さん「君の隣に」 [本☆☆]


君の隣に (講談社文庫)

君の隣に (講談社文庫)

  • 作者: 本多 孝好
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/09/14
  • メディア: 文庫



社会派ミステリ小説です。
舞台も特異なら展開も特異、結末もこちらの予想を覆すものでした。よく練られたプロットです。

「scene1~アヤメ」「scene2~吉田」「scene3~星野」「scene4~満村」「scene5~坂巻」「scene6~豊」の章立てになっています。

横浜・伊勢佐木町で風俗店『ピーチドロップス』を営む大学生・早瀬俊。彼は進藤翼という少女と二人で暮らしていた。深い翳を宿す青年・早瀬と、非の打ち所がない少女・翼。店の常連客、翼の担任教師、老いた元警官など周囲の人物たちから、少しずつ早瀬と翼の秘密が明かされていく――。
(出版社HPより)

進藤渚と翼の母娘と早瀬俊、ジャンを中心としたデリヘル「ピーチドロップス」と、それに関わる人たちの視点で展開する連作短編集です。

「scene2~吉田」まではなにがなんだかわかりませんでした。次の星野の章でようやく概要がわかりかけてきて、そこから物語は一気に加速します。

坂巻の章でケリがついて、けれども後日談とするにはあやふやなままだな、と思っていたら最終章でどんでん返しが待っていました。
読み終わったときはただただ嘆息です。

ただ、早瀬たちがそこまで渚(と翼)のためにするのか、恩人であったとしても━彼らが感じる渚の魅力というものが伝わってきませんでした。
なので読後感としては当惑したままでした。

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