朱川湊人さん「わたしの宝石」 [本☆☆]
どこか懐かしさを感じる朱川さんらしい作品もあれば、そう感じないものもあり、物足りなさのある読後感でした。
「さみしいマフラー」「ポコタン・ザ・グレート」「マンマル荘の思い出」「ボジョン、愛してる」「想い出のセレナーデ」「彼女の宝石」の6編が収められています。
「僕らの愛は、悲劇的な終わり方をした」憧れの女性との幸福な結婚生活に潜んでいた切ない真実(「彼女の宝石」)、大切な人たちの首元にふと現れる不思議なモノ(「さみしいマフラー」)他、アイドルへの一途な愛、巨大でピュアで惚れ惚れするような愛の姿が、一つ一つ心に染みわたる。名手が放つ感動直球!短編集。
(「BOOK」データベースより)
「さみしいマフラー」で朱川さんらしい世界観に浸った後で「ポコタン・ザ・グレート」のグレートさにやられました。その後の「マンマル荘の思い出」でノスタルジックな雰囲気に。
「ボジョン、愛してる」については共感できず、「想い出のセレナーデ」「彼女の宝石」は記憶の中の苦い思い出といったところでしょうか。
全体的に(個人的好みから)波のある短編集という印象が残りました。
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