万城目学さん「バベル九朔」 [本☆]
壮大なのか、そうでないのか、よくわからないまま終わってしまった読後感が残りました。
ネバーエンディングストーリー。
カラス女、ヘンテコ店舗、夢の結末――雑居ビル管理人を最上階で待つものは。
全編ずっとビルのなか。
最狭(さいきょう)かつ最高の冒険譚!
俺は5階建ての雑居ビル「バベル九朔」の管理人をしながら作家を目指している。
巨大ネズミ出没、空き巣事件発生と騒がしい毎日のなか、ついに自信作の大長編を書き上げた。
だが、タイトル決めで悩む俺を、謎の“カラス女”が付け回す。
ビル内のテナントに逃げこんだ俺は、ある絵に触れた途端、見慣れた自分の部屋で目覚める――外には何故か遙か上へと続く階段と見知らぬテナント達が。
「バベル九朔」に隠された壮大な秘密とは?
(出版社HPより)
作家志望の主人公という自伝的要素のある生活感ある出だしは、「カラス女」の登場で一気に異世界へと吹き飛ばされます。
ただ、そこからが長かったです…。
5階建てなのにバベルという雑居ビルがバベルそのままに先の見えない高層雑居(?)ビルになり、ある仕掛けの施された店舗が続きます。
小ネタ満載でくすっとするのですが、延々と続くと飽きがくるというか。匙加減って大事ですね。
「カラス女」の目的、「バベル九朔」を建てた主人公の祖父の目論見などが明らかになり終幕を迎えるのですが、理解はできるもののわけがわからないという状態に陥ってしまいました。
万城目さんの作品に対する期待が高かっただけに残念に思ってしまいました。
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