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太田 忠司さん「名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは美味しく食べる」 [本☆☆]


名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは美味しく食べる (ハルキ文庫)

名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは美味しく食べる (ハルキ文庫)

  • 作者: 太田忠司
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2019/02/14
  • メディア: 文庫



名古屋メシとミステリを絡めたシリーズ第2弾です。
前作は明壁麻衣という女子学生の天才的な推理が発揮されましたが、今作は主人公の鏡味龍の悩みと成長と推理が描かれています。

「きしめんと誰にでもある逆むけのこと」「雑煮と言葉にしなかったこと」「おこしもんと壊れてしまった思い出のこと」「生せんべいと道の途中で迷うこと」「ひつまぶしと正しく生きていくということ」の5編が収められています。

東京生まれの名古屋大医学生、鏡味龍が名古屋に暮らして一年半が経った。ある日学食で龍は、ウェブ編集者の平野里央から、「こんなに美味しそうにきしめんを食べるひと、見たことがない」と、「名古屋めし再発見」という連載のモデルに勧誘される。ひつまぶし、おこしもん、生せんべい、インディアンスパゲッティ……名古屋めしと名古屋の魅力が満載の大人気作、待望の第二弾!
(出版社HPより)

前作が手羽先唐揚げ、海老フライ、味噌おでんという王道や、寿がきやラーメンや鬼まんじゅうという変化球が紹介されましたが、今作ではおこしもんとか生せんべいといったそもそも聞いたこともない食べ物が登場しました。うーん、奥が深い。

探偵役が鏡味龍になって、バディがウェブ編集者の平野里央になりました。
切れ味鋭い推理を披露していた明壁麻衣に対して、龍は関係する人たちの立場に立って事件の本質を考え、彼らを傷つけないよう気を配りながら解決します。

龍の繊細さや優しさと、1年の間の成長が見られるとともに祖父母や喫茶ユトリロの常連客たちとの温かい関係性がじんわりきます。

リニア名古屋駅西口の再開発の波に喫茶ユトリロがどうなってしまうのか、気掛かりです。

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