樋口有介さん「少女の時間」 [本☆☆☆]
柚木草平シリーズ11弾です。
今回もしっかり「女難の相」が出ています。
月刊EYESの小高直海経由で、大森で発生した未解決殺人事件を調べ始めた柚木。二年前、東南アジアからの留学生を支援する組織でボランティアをしていた女子高生が被害にあった事件だが、調べ始めたとたんに関係者が急死する事態に。事故か殺人か、二年前の事件との関連性は果たして? 美人刑事に美人母娘、美人依頼主と四方八方から美女が押し寄せる中、柚木は事件の隠された真実にたどり着けるのか──。“永遠の38歳”の青春と推理を軽やかに贈る、最新長編。柚木草平初登場作『彼女はたぶん魔法を使う』を思わせる、ファン必読の書。
(出版社HPより)
後書きで、構想に詰まって「ええい、とにかく美女を大量動員してしまえ」と言っているように、超絶絶世の美少女から個性的な美女まで登場し、草平を翻弄します。しかも揃いも揃って面倒くさい性格。
それに対抗してハードボイルドを装った柚木草平節も健在です。
それでいて、しっかりとミステリしていて、終盤で草平が辿り着いた真実と彼が下す決断には苦いものがあります。
これぞハードボイルドだなぁ。
『風景を見る犬』から枝沢柑奈が、『枯れ葉色グッドバイ』から吹石夕子が「出張」しています。
その他に風町サエがカメオ出演しています。
大サービスな作品です。
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