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伊坂幸太郎さん「サブマリン」 [本☆☆]


サブマリン (講談社文庫)

サブマリン (講談社文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/04/16
  • メディア: 文庫



チルドレン』の続編です。
10年以上前の作品だったので記憶が曖昧で、まったく別ものとして読みました。

家庭裁判所調査官の武藤は貧乏くじを引くタイプ。無免許事故を起こした19歳は、近親者が昔、死亡事故に遭っていたと判明。また15歳のパソコン少年は「ネットの犯行予告の真偽を見破れる」と言い出す。だが一番の問題は傍迷惑な上司・陣内の存在だった! 読み終えた瞬間、世界が少しだけ輝いてみえる大切な物語。
(出版社HPより)

前作が連作短編集だったのに対して本作は長編ということ、ベースにあるのが棚岡という少年が引き起こした無免許運転での死亡事故の背景を調査するということでやや展開に起伏が欠けた感がありました。

それでも武藤が家庭裁判所調査官として事件の調査や事件に関わった少年たちと向き合うなかで突き当たる壁や葛藤を、普段ははた迷惑なだけの上司の陣内が数々の「名言・迷言」とともにフォローするシーンは面白くもあり、絶妙でもありました。

「悪いことをした人間は殺しても罪にならないか」「故意でなければ人を殺しても罪に問われないか」といった答えの出ない問いが続きます。
罪と罰といった白黒つかないシンプルでない問題は現実的でもあります。

伊坂さんらしく楽しくも考えさせられる作品でした。

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