米澤穂信さん「巴里マカロンの謎」 [本☆☆☆]
11年振りの「小市民」シリーズです。
表紙を飾る片山若子さんのイラストがかわいい。
「巴里マカロンの謎」「紐育チーズケーキの謎」「伯林あげぱんの謎」「花府シュークリームの謎」の4編が収められています。
「わたしたちはこれから、新しくオープンしたお店に行ってマカロンを食べます」その店のティー&マカロンセットで注文できるマカロンは三種類。しかし小佐内さんの皿には、あるはずのない四つめのマカロンが乗っていた。誰がなぜ四つめのマカロンを置いたのか? 小鳩君は早速思考を巡らし始める……心穏やかで無害で易きに流れる小市民を目指す、あのふたりが帰ってきました!
(出版社HPより)
「春期限定いちごタルト事件」「夏期限定トロピカルパフェ事件」「秋期限定栗きんとん事件」ときて、いよいよ「冬季限定~」と思ったら、「春期限定~」の後、船戸高校1年の秋から冬にかけての連作短編集です。
ということは、これで完結ではないってことですね\(^o^)/
ちなみに「巴里」は「パリ」、「紐育」は「ニューヨーク」、「伯林」は「ベルリン」、「花府」は「フィレンツェ」のことです。
小鳩くんの観察力と推理力、小佐内さんの行動力は健在です。
互恵関係を結んだ二人が遭遇する謎はなかなかに難解で面白く、その先に明らかになる仕掛け人や関係者の思いはいい意味でも悪い意味でも人間味があります。
(ただ、既刊のようにダークで後味の悪さを感じることはありませんでした)
小鳩くんの地の文が若年寄りみたいでくすっと笑えます。
続編が楽しみです。
作品に影響されて、マカロンとニューヨークチーズケーキとシュークリームを買ってしまいました。
これはスターバックスで食べたニューヨークチーズケーキ。
美味しかったです。
コメント 0