柴崎友香さん「パノララ」 [本☆☆]
600ページ近いボリュームとともに、内容もそれまでの柴崎さんとは違う、登場人物の深みまで切り込むような作品です。
しかもSFチック。
28歳のわたし・田中真紀子は友人のイチローに誘われて、彼の家に間借りすることになった。けれどもその建物は、コンクリート三階建て・黄色い木造二階建て・鉄骨ガレージの3棟が無理矢理くっつけられた変な家。そしてわたしは、ガレージの上の赤い小屋に住むことに。全裸で現れる父親を筆頭に、個性派揃いのイチローの家族たち。ヘンテコな家でおかしな生活が始まった。そんなある日、イチローから「たまに同じ一日が二度繰り返される」という不思議な経験を打ち明けられる──芥川賞作家が描く未体験パノラマワールド!
(出版社HPより)
設定からして風変りです。
友人であるイチローの父親の思い付きで建て増し(というより継ぎはぎ)された奇妙な外観を持つ家。
家では全裸の父、女優の母、それぞれ父親が異なるという兄妹のイチロー、文、絵波。
平凡な主人公の田中真紀子(名前は平凡ではないですね)は彼らの家に間借りし、交流するのですが、次第に不可思議な現象を体験していきます。
残念ながらどの登場人物にも共感できませんでした。平凡すぎたり、キャラが濃すぎたり。
これまでの柴崎さんの作品にも出てきたようなクリエイターの卵(より以前の段階かも)たちも登場しますが、「背景」よりも「道具」感が強かったです。
彼らの「あり方」が触媒となっているように思いました。
様々な超常現象が出てくるのですが、その説明がなく不十分に感じました。その人の能力によるものだとしたら、終盤の怒涛の真紀子の経験はなんなのか、となるし、場所によるものでもなさそうだし。
モヤモヤしたものだけが残りました。
ただ、不器用で受け身な真紀子が彼らと交わるうちに次第に自分の意見を言うように変わっていく姿に柴崎さんのメッセージが込められているように感じました。
市川拓司さん「壊れた自転車でぼくはゆく」 [本☆☆]
美しい純愛作品なんでしょうが、キャラクター造形がイマイチです…。
限られた時の中で、精一杯自分たちの命を生きた恋人たちの旅の記録。
「故郷とは真利子であり、それがわたしのすべてだった――」
突然失踪した祖父の寛太。「旅に出ます。月曜日には戻ります」
ナイーブで、いつも何か怯えていた寛太。戦時下の空襲が、いつしか彼の心に暗い影を落としたようだ。
寛太が果たすべき約束とは? 壊れた自転車とともに旅をする祖父が語る、美しい愛の物語。
(出版社HPより)
あまりに祖父の性格が極端すぎるというか、情けないもので、どうにも共感できないままでした。
切なく優しい物語なんですが、展開があまりに純愛すぎて却ってリアリティを欠くような気がしました。
と思うのは自分が世間の荒波に揉まれ過ぎてしまったからなのかもしれません。
Minimalのチョコレート [お店]
元号が変わって、令和が始まりましたが、相変わらずマイペースにやっていきます。
Bean to Bar チョコレート専門店です。
https://mini-mal.tokyo/
それぞれ口当たりが違うというカットだそうです。
明治のザ・チョコレートも採用していますね。
カカオ豆を粗挽きしているそうで、ざらっとした舌触りが特徴です。
滑らかな舌触りのチョコに慣れているので、面白いとともに違和感を覚えました。
ご馳走様でした。
Bean to Bar チョコレート専門店です。
https://mini-mal.tokyo/
それぞれ口当たりが違うというカットだそうです。
明治のザ・チョコレートも採用していますね。
カカオ豆を粗挽きしているそうで、ざらっとした舌触りが特徴です。
滑らかな舌触りのチョコに慣れているので、面白いとともに違和感を覚えました。
ご馳走様でした。