市川拓司さん「壊れた自転車でぼくはゆく」 [本☆☆]
美しい純愛作品なんでしょうが、キャラクター造形がイマイチです…。
限られた時の中で、精一杯自分たちの命を生きた恋人たちの旅の記録。
「故郷とは真利子であり、それがわたしのすべてだった――」
突然失踪した祖父の寛太。「旅に出ます。月曜日には戻ります」
ナイーブで、いつも何か怯えていた寛太。戦時下の空襲が、いつしか彼の心に暗い影を落としたようだ。
寛太が果たすべき約束とは? 壊れた自転車とともに旅をする祖父が語る、美しい愛の物語。
(出版社HPより)
あまりに祖父の性格が極端すぎるというか、情けないもので、どうにも共感できないままでした。
切なく優しい物語なんですが、展開があまりに純愛すぎて却ってリアリティを欠くような気がしました。
と思うのは自分が世間の荒波に揉まれ過ぎてしまったからなのかもしれません。