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道尾秀介さん「透明カメレオン」 [本☆☆]


透明カメレオン (角川文庫)

透明カメレオン (角川文庫)

  • 作者: 道尾 秀介
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/01/25
  • メディア: 文庫



どたばたしたコメディかと思っていたら、最後はしんみり人間ドラマでした。
ミステリとしては弱いかな。

ラジオパーソナリティの恭太郎は、素敵な声と冴えない容姿の持ち主。バー「if」に集まる仲間たちの話を面白おかしくつくり変え、リスナーに届けていた。大雨の夜、びしょ濡れの美女がバーに迷い込み、彼らは「ある殺害計画」を手伝わされることに。意図不明の指示に振り回され、一緒の時間を過ごすうち、恭太郎は彼女に心惹かれていく。「僕はこの人が大好きなのだ」。秘められた想いが胸を打つ、感涙必至のエンタメ小説。
(出版社HPより)

物語の構成、伏線の回収などは道尾さんならではです。
また、バー「if」のマスターや常連客も個性的で作品の雰囲気に合っていました。

主人公の恭太郎がラジオパーソナリティというところがミソですね。この着眼点がいいです。
容姿は冴えませんが声はいい、という持ち味(?)を遺憾なく発揮します。

恭太郎がラジオで語るシーンが織り込まれるのが実は伏線になっています。

ただ、恵を救出するために恭太郎が家から持ちだしたグローブ、エナメル線などが予想もつかない方法で使われるのかと思いきや、案外そうでもなかったのが残念でした。

終盤で隠されていた真実が明らかになるのですが、もうひとひねりほしかったです。
それだけ道尾さんの作品に期待しちゃっているんですね。

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