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三崎亜記さん「手のひらの幻獣」 [本☆☆]


手のひらの幻獣 (集英社文庫)

手のひらの幻獣 (集英社文庫)

  • 作者: 三崎 亜記
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2018/03/20
  • メディア: 文庫



サイキックによるアクションなど、よりSFっぽさが強い作品です。
最近のSFではあまりみなくなったようなテイストです。

「研究所」「遊園地」の中編2作と短編「屋上の波音」が収められています。

動物の「イメージ」を現実世界に召喚し、自在にあやつることができる、異能力者の日野原柚月。彼女は、同じ能力を持つ者たちが所属するハヤカワ・トータルプランニングという会社に勤めている。もともとは動物園などで力を生かしていたが、近年では能力について科学的な研究が進み、各国間での人材開発競争が行われている。
そんななか、新しい「研究所」が建設されることになった。
そこには表出者のパワーを増幅させるための禁断の存在が隠されていて……。
(出版社HPより)

バスジャック』収録の「動物園」や『廃墟建築士』収録の「図書館」にも登場したハヤカワ・トータルプランニングの日野原柚月が主人公です。

とはいえ、『廃墟建築士』を読んでからだいぶ時間が経っていて、日野原柚月も忘れていました。

「表出」という特殊能力を有効に活用する場もない、ある種の閉塞した状態に置かれながらも淡々とした日々を送っていましたが、秘密裏に進行していた国家規模の企みに巻き込まれていきます。

世界観や「表出」という特殊能力の説明が続き、リズムに乗るのにやや時間がかかりました。
けれども、リズムに乗ってからは楽しくてページが進みました。

アクションシーン、といっても観念的なものですが、異能力者同士の戦いも迫力がありました。

一方でハヤカワ・トータルプランニングの社長と日野原柚月の関係がどうなっていくのか、やきもきしながらその先が気になりました。

続編あるのかな。

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