SSブログ

葉室麟さん「螢草」 [本☆☆]


螢草 (双葉文庫)

螢草 (双葉文庫)

  • 作者: 葉室 麟
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2015/11/12
  • メディア: 文庫



16歳の少女が市井の人々の力を借りて危難を乗り越えていく、心が晴れやかになる時代小説です。

切腹した父の無念を晴らすという悲願を胸に、武家の出を隠し女中となった菜々。意外にも奉公先の風早家は温かい家で、当主の市之進や奥方の佐知から菜々は優しく教えられ導かれていく。だが、風早家に危機が迫る。前藩主に繋がる勘定方の不正を糺そうとする市之進に罠が仕掛けられたのだ。そして、その首謀者は、かつて母の口から聞いた父の仇、轟平九郎であった。亡き父のため、風早家のため、菜々は孤軍奮闘し、ついに一世一代の勝負に挑む。日本晴れの読み心地を約束する、極上の時代エンターテインメント。
(「BOOK」データベースより)

序盤で少し急ぎすぎな感じがあったんですが、そういう展開ですか…。

ただ、父が遺した前藩主の不正の証拠を現藩主に届ける手段はご都合主義な感がなくもありません。
わずか16歳の少女がそこまでできるかなー。

菜々のしなやかさと強さが際立つ一方で武士の陰が薄いです。市之進はとっととフェードアウトするし、仙之助は箸にも棒にも掛からないし。
その分、菜々が町で出会う市井の人々が手を差し伸べてくれます。菜々はそれに感謝しながらも自分の力で市之進の子供たちを守り育てます。

だんご兵衛、おほねさん、死神先生、駱駝の親分…聞き間違いにしても面白すぎます。
それを声高にただそうとしない様子も微笑ましいです。

心がゆるやかになる小説でした。


NHKのBSでドラマ化されたみたいですね。
https://www4.nhk.or.jp/P5823/

主演の清原果耶さんは菜々のイメージ通りです。

nice!(25)  コメント(0) 
共通テーマ:

ヤマウラさんから株主優待品をいただきました 2019夏 [株主優待]

ありがとうございます[わーい(嬉しい顔)]

3,000円相当の長野県の地場商品群の中から1商品を選択しました。
内堀醸造のプレミアムフルーツビネガー 信州りんごの酢~ふじ~ 2本です。

b01_120438.jpg

内堀醸造の黒酢を愛飲しているのでリンゴ酢も楽しみです。
これでこの夏も乗り切るぞー。

nice!(19)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

韓国料理 松屋のカムジャタン [お店]

新大久保の韓国料理 松屋さんです。

創業30年近いお店ということで、老舗の部類に入るのではないでしょうか。

お通しのカクテキ。輸入ではなく自家製だそうです。酸味があるのは乳酸発酵しているせいでしょうか。
b01_013102.jpg

カムジャタン。なんの鍋かを知らずに注文。
メニューにも料理名しかなく、「日本に初めてカムジャタンを紹介した店」という興味だけで頼みましたが、英語で「 pork born」 (・・;
ジャンがやや辛めのコクのある味なので箸が進みます。背骨の周りのお肉をほじって食べるので無言になります。
白いのはジャガイモ。
b01_013955.jpg

松屋チジミ。
サイズ感が伝わりませんが、特大です。
食べきれずに半分お持ち帰りできました。
b01_014001.jpg

骨の山。。。
b01_022252.jpg

旨辛でボリュームがあって、ビールがすすむこと間違いなしです。

ご馳走様でした。

nice!(26)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

五十嵐貴久さん「炎の塔」 [本☆☆]


炎の塔 (祥伝社文庫)

炎の塔 (祥伝社文庫)

  • 作者: 五十嵐貴久
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2018/04/12
  • メディア: 文庫



ノンストップアクション小説です。ぶ厚いのですが一気読みしました。

銀座のランドマーク「ファルコンタワー」。高さ450メートルを誇る日本一の超高層ビルが完成した。オープンの初日、タワーには震災を生き抜いた親子、重病を克服した夫婦、禁断の恋に落ちた教師と女子高生、離婚問題に直面する夫婦など、様々な事情を抱える人たちが訪れていた。そんな彼らに未曾有の大火災が襲いかかった。通称“ギンイチ”銀座第一消防署の若き女性消防士・神谷夏美は猛威をふるう炎の中、死を賭した任務に出動するが―。完璧だったはずの防火設備はなぜ破綻したのか?最上階に取り残された人々の運命は?想像を絶する焔と人間の戦いを描く極上エンターテインメント!
(「BOOK」データベースより)

100階建て、高さ450メートルの新築超高層ビルで発生した火災を巡って消防士たちの奮闘と、巻き込まれた人たちの心情や行動が描かれます。

後書きで「タワーリングインフェルノにインスパイアされた」とありましたが、そのまんま ^^;

我先にと逃げ出そうとする社会的成功者たちの醜さ、子供たちのために犠牲となる尊い姿を見せる老人、責任逃れをした挙句に真っ先に逃げようとするビルオーナー、職業的使命のもと炎に立ち向かう消防士たち。実に様々な人間模様が描かれます。

ただ、登場人物が多すぎて、「そういえばあの人は?」と思い出すこと多々あります。と同時に各キャラクターの印象が薄いです。

様々な伏線が張り巡らされるのですが、だいぶご都合主義的な箇所がありました。

続編があるそうです。次作も楽しみです。

nice!(20)  コメント(0) 
共通テーマ:

松尾由美さん「九月の恋と出会うまで」 [本☆☆]


九月の恋と出会うまで (双葉文庫)

九月の恋と出会うまで (双葉文庫)

  • 作者: 松尾 由美
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2016/02/10
  • メディア: 文庫



初読みの作家さんです。
ファンタジー恋愛小説かと思えば、途中からゴリゴリのSFに…。

「男はみんな奇跡を起こしたいと思ってる。好きになった女の人のために」―‐ある日北村志織は、自室の壁の穴から”一年後の今日”を生きているという人物の声を聞いた。「平野です」その人物は、同じマンションに住む男性だという。半信半疑ながら、平野に言われた通りに行動する志織。平野にはある目的があった――「書店員が選んだもう一度読みたい恋愛文庫第1位」に輝いた、時空を超えた奇跡のラブストーリー。
(出版社HPより)

自己評価の低い男女が主人公のせいか、恋愛小説に思えません。
しかもオタク気質の平野がタイムリープによるタイムパラドックスについて語るにつれてSF度が上がっていきます。
でも、ラストは伏線を回収してしっかり恋愛小説になっていました。

志織のアパートの部屋の壁の穴から聞こえてくる男は誰なのか、という推理面でも面白みがありました。平野なのか、アパートのオーナーの孫なのか。

「好きになった女の人のために」という惹句がこの作品を言い表しています。


映画化されていたんですね。
残念なイケメンに高橋一生さん、「ルックスはそこそこ」の志織役に川口春奈さん。…え?
http://wwws.warnerbros.co.jp/kugatsunokoimovie/

nice!(23)  コメント(0) 
共通テーマ:

伊坂幸太郎さん「火星に住むつもりかい?」 [本☆]


火星に住むつもりかい? (光文社文庫)

火星に住むつもりかい? (光文社文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2018/04/12
  • メディア: 文庫



伊坂さんだから、期待値が高くなってしまうんですが、これは…。

「安全地区」に指定された仙台を取り締まる「平和警察」。その管理下、住人の監視と密告によって「危険人物」と認められた者は、衆人環視の中で刑に処されてしまう。不条理渦巻く世界で窮地に陥った人々を救うのは、全身黒ずくめの「正義の味方」、ただ一人。ディストピアに迸るユーモアとアイロニー。伊坂ワールドの醍醐味が余すところなく詰め込まれたジャンルの枠を超越する傑作!
(出版社HPより)

ディストピア小説です。しかし、現代はこの作品で描かれた世界よりも先を行っているように思います。それも、巧妙に。

「正義」とはなにかを考えさせられました。
国家にとっての正義、個人の抱く正義、大衆にとっての正義。それは重なることはあっても決してイコールではないはずです。

物語では「平和警察」が悪で、無実の罪を着せられそうになる人々を救う「正義の味方」が正ではありますが、「水戸黄門」のように勧善懲悪とはいきません。(そもそも「水戸黄門」が権力者側だ)
そこにこの作品の皮肉と絶望があるように思います。

ページが多く、長い割にはカタルシスは得られず、拷問の場面は苦痛だし、今いる世界と作品世界が陸続きだと気づいた暗澹さで暗ーくなりました。

nice!(20)  コメント(0) 
共通テーマ:

恩田陸さん「EPITAPH東京」 [本☆]


EPITAPH東京 (朝日文庫)

EPITAPH東京 (朝日文庫)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2018/04/06
  • メディア: 文庫



EPITAPHとは墓碑銘、碑文という意味だそうです。
良くも悪くも恩田さんワールドです。

「EPITAPH東京」「悪い春」の2編が収められています。

東日本大震災を経て、刻々と変貌していく《東京》を舞台にした戯曲『エピタフ東京』を書きあぐねている“筆者K”は、吸血鬼だと名乗る吉屋と出会う。彼は「東京の秘密を探るためのポイントは、死者です」と囁きかけるのだが・・・・・・。
将門の首塚、天皇陵・・・・・・東京の死者の痕跡をたどる筆者の日常が描かれる「Piece」。徐々に完成に向かう戯曲の内容が明かされる作中作『エピタフ東京』。吉屋の視点から語られる「drawing」。
三つの物語がたどり着く、その先にあるものとは――。
ジャンルを越境していく、恩田ワールドの真骨頂!
(出版社HPより)

エピソードを積み重ねた構成、東京だけでない都市の断面が脚本家Kの視点から描かれます。

Kがたまにバーで出会う「吉屋」という謎の男が面白いです。自分を吸血鬼と語る吉屋の独白の章が挟まれるのですが、むしろこちらのほうが興が乗ります。

例によって(?)最後の最後でブッ飛びました。
『近日公開』なにがしたいのか、わかりません。ヽ('ー`)ノ

nice!(24)  コメント(0) 
共通テーマ:

日本管財さんから株主優待品をいただきました 2019年夏 [株主優待]

ギフトカタログからRussell Hobbs (ラッセルホブス) の「電動ミル ソルト&ペッパー」をいただきました。
ありがとうございました。

b01_324751.jpg

以前に手挽きミルを使っていたんですが壊れてしまってからは粗挽きされた胡椒を使ってました。
某家事初心者向け番組で某お笑い芸人の人が使っていましたので、そんなに悪いものじゃないだろうと。

ホールの胡椒を買ってこなくちゃ。

nice!(26)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

辻村深月さん「家族シアター」 [本☆☆]


家族シアター (講談社文庫)

家族シアター (講談社文庫)

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/04/13
  • メディア: 文庫



様々な家族の形を描いた短編集です。

「「妹」という祝福」「サイリウム」「私のディアマンテ」「タイムカプセルの八年」「1992年の秋空」「孫と誕生会」「タマシイム・マシンの永遠」の7編が収められています。

「家族」で起こる、ささやかな大事件。いま一番旬な作家、辻村深月の最新文庫。息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画。親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」より)。家族を描く心温まる全7編。
近くにいるから傷つけ合う。遠くにいてもわかり合える。
大好きだけど、大っきらい--読めばきっと、あなたの「わが家」に帰りたくなる。
弟はアイドルオタク、姉はバンギャ。趣味も性格も正反対。犬猿の仲の二人は顔を合わせれば衝突ばかり。ある日、盗み見ている姉のブログに不審な投稿を発見してしまった弟。日に日に覇気がなくなっていく姉の様子が気になって仕方ない(「サイリウム」より)。
息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画。親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」より)。
真面目な姉を鬱陶しく思う妹。
趣味で反発し合う姉と弟。
うまく息子と話せない父。
娘の考えていることが理解できない母……
あなたの家族もこの中に。家族を描く、心温まる全7編。
(出版社HPより)

いろいろな家族が登場します。

年子の中学生姉妹(真面目な姉とファッションに敏感な妹)、ロックバンドの追っかけをしている姉と地下アイドルファンの弟、優等生の娘と学歴コンプレックスの母、担任の教師の憧れから小学校教師を目指す息子とインドア派の大学准教授の父、普通であることがコンプレックスの姉と宇宙を愛する妹、帰国子女の孫娘と祖父、藤子不二雄を敬愛する若い夫婦。

他人が表面からは窺い知ることのできない密接な関係が構築されるのが家族でしょう。
そこには鬱陶しさや対立や葛藤や無関心もあると思いますが、その先に解消があります。(解消しない場合もありますが)

読み手によって親近感を覚える作品があると思います。
それだけで価値があるのかな、と思いました。

nice!(27)  コメント(0) 
共通テーマ:

成学社さんから株主優待品をいただきました 2019夏 [株主優待]

[わーい(嬉しい顔)]ありがとうございます[exclamation×2]

b01_703630.jpg

クオ・カード 1,000円分をいただきました。
年2回の予定です。


nice!(23)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。