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新海誠さん「小説 言の葉の庭」 [本☆☆☆]


小説 言の葉の庭 (角川文庫)

小説 言の葉の庭 (角川文庫)

  • 作者: 新海 誠
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2016/02/25
  • メディア: 文庫



映画の空気感はそのままに、より深い物語世界を味わえます。

また会うかもね。もしかしたら。雨が降ったら―。雨の朝、静かな庭で2人は出会った。靴職人を志す高校生の孝雄と、謎めいた年上の女性・雪野。迷いながらも前に進もうとする2人は、どこへ足を踏み出すのか。圧倒的な支持を受けた劇場アニメーション『言の葉の庭』を、新海誠監督みずから小説化。アニメでは描かれなかった人物やエピソードを多数織り込み、小説版ならではの新たなる作品世界を作り上げた傑作。
(「BOOK」データベースより)

映画では孝雄と雪野のほぼ2人の逢瀬と生活のシーンだけでしたが、小説では孝雄の母と兄、兄の恋人、雪野の同僚であり元恋人といった人々の視点で彼らが描かれていて、孝雄と雪野の姿がよりくっきりと浮かび上がってきます。

靴職人を目指す孝雄と雨の公園の東屋で朝からビール缶を傾ける雪野との出会いと互いが惹かれていく様子と別れが万葉集の歌をベースに丁寧に描かれます。
その光景の描写は映画の緻密な描写に劣らず鮮やかにイメージができます。平易で彩りのある文章ゆえかもしれません。

また、映画とは違う(ような)小説版のエンディングは2人の希望にも取れ、清々しい読後感でした。

小説を読むことで原作(?)の映画の見方が変わるかもしれません。
もう一度映画を見てみよう。

雨の新宿御苑がモデルになっています。近いし、行ってみようかな。
巡礼者がたくさんいそうですが。。。

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新城カズマさん「サマー/タイム/トラベラー 2」 [本☆☆]


サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 新城 カズマ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2005/07/21
  • メディア: 文庫



がっつりタイムトラベラーものです。
好き嫌いの分かれる小説ですが、個人的には好きな部類です。

無数の時間SFを分析し、県道での跳躍実験をくりかえすなかで、自らの能力を自覚していく悠有。いっぽう、辺里の町では不穏な出来事が進行していた──続発する放火事件と謎の脅迫状。やがてぼくらは、悠有が一度も過去へ跳ばないことに気づいてゆく。そして花火大会の夜、悠有が姿を消した──。
(出版社HPより)

地方都市である辺里市に暮らす5人の高校生、卓人、悠有、響子、コージン、涼によるひと夏の物語です。

頭脳明晰な高校生たちが刺激の少ない閉鎖的な地方都市に辟易しながら、悠有の身に起きたタイムトラベル(というか、タイムスリップ)をきっかけに〈時空間跳躍少女開発プロジェクト〉という計画を進めます。
並行して連続放火事件と悠有に宛てられた脅迫状の差出人探しが絡みます。

作中で登場人物たちが膨大な量のSF作品や科学知識を披露しますが、まあ、斜め読みしても大丈夫だと思います。(だいぶページを取っているけど)

姿を消した悠有と”取り残された”仲間たちという終幕が比喩的でもあります。
頭が良くて皮肉屋の主人公や地縁に縛られた友人たちと、数秒間でも未来に進むことのできる悠有という対比はジュブナイル小説として読むこともできると思います。
そんな彼らの屈折具合が切ないです。

ストーリイ的にはシンプルで読後感もよかったです。

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LA SOEUR(ラ スール)のカヌレ [お店]

福岡にあるカヌレ専門店だそうです。

カヌレとはフランスの伝統的な洋菓子なんだそうです。

定番のスペシャリテカヌレをいただきます。

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ずっしりとした重みがあり、表が硬くてナイフを入れるのに結構難儀しました。
生地はもっちりとしていてプリンのような味わいです。
シンプルで素朴なお菓子ですね。

ご馳走様でした。

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