朝吹真理子さん「流跡」 [本☆☆]
想像力の奔流になすすべもなく一気読みしました。
表題作と短編「家路」が収められています。
ヒト、密書、スーツケース。夜な夜な「よからぬもの」を運ぶ舟頭。雨上がりの水たまりに煙突を視る会社員。漂着した島で船に乗り遅れる女。私はどうしてここにいるのか。女房を殺したような、子どもの発話が遅れているような、金魚が街に溢れている、ような――。流転する言葉をありのままに描き、読み手へと差し出した鮮烈のデビュー作。芥川賞受賞前夜の短篇「家路」を同時収録。
(出版社HPより)
ストーリイらしいストーリイはありません。
夢のような、幻想のようなシーンが次々と現れては消えていきます。
面喰うと同時にその流れに引きずり込まれていきます。
「なんじゃこりゃ」と思うのと同時に言葉のひとつひとつが安易で適切で、時に意表を衝く選択で、たまに想像すらしていなかった表現で情景が描かれます。
ただただ流されるだけの物語でした。
そして、頭が疲れた…。