SSブログ

朝井まかてさん「眩(くらら)」 [本☆☆☆]


眩 (くらら) (新潮文庫)

眩 (くらら) (新潮文庫)

  • 作者: 朝井 まかて
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/09/28
  • メディア: 文庫



葛飾北斎の娘で絵師だった応為(お栄)の半生を描いた物語です。骨太!

あたしはただ、絵を描いていたいだけ。愚かな夫への軽蔑、兄弟子への叶わぬ恋、北斎の名を利用し悪事を重ねる甥――人生にまつわる面倒も、ひとたび絵筆を握ればすべて消え去る。北斎に「美人画では敵わない」と言わせ、西洋の陰影表現を体得し、全身全霊を絵に投じた絵師の生涯を圧倒的リアリティで描き出す、朝井まかて堂々の代表作!
(出版社HPより)

以前に北斎を主人公にした小説(なんだったかな)を読んだときに娘の描写があった記憶はあるんですが、印象が薄かったです。
ですが、北斎の製作にも関わっていただけでなく、自らも相当の作品を残しているそうで、それほど史実には残っていないであろう応為の人生を描き切っている朝井さんの想像力と筆力に感服しました。

ただ画家としての日常だけでなく、己の才能への鬱屈や兄弟子である善次郎(渓斎英泉)への想いや日々の生活の情景も描かれ、江戸時代なのにリアリティを感じてしまいます。


表紙にもなっている「吉原格子先之図」の陰影の深みが写実以上のリアリティさを感じます。西洋画を研究し尽くして自分の絵に昇華させたひとつの結実です。

nice!(18)  コメント(0) 
共通テーマ:

魚焼きグリルで焼きおにぎりを作ってみました [料理]

家事ヤロウで紹介されていた、魚焼きグリルで作る焼きおにぎりに挑戦しました。
https://www.tv-asahi.co.jp/kajiyarou/backnumber/0076/

b01_373900.jpg

めんつゆ大さじ4とごま油小さじ2をボウルに入れ、ごはん240gをさっくり混ぜます。白ごま2つまみを混ぜます。
魚焼きグリルにアルミホイルを敷いて、ラップで握ったおにぎりを並べて強火で4分焼きます。ひっくり返して4分焼いたら出来上がり!

あらかじめ、めんつゆとごま油で和えるのがキモですね。味が濃すぎないようにする加減が難しいですが、食べたときのごま油の香りが食欲をかき立てます。逆にごま油が多いと胸焼けします。

ちょっと高さがあると火に近づきすぎて焦げてしまいます。薄くするのがポイントです。

nice!(16)  コメント(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

キーコーヒーさんから株主優待をいただきました 2019冬 [株主優待]

ありがとうございます[わーい(嬉しい顔)]

b01_9104629.jpg

ドリップオン「スペシャルブレンド」「トラジャブレンド」、SINCE1920ブレンドです。

SINCE1920シリーズは、キーコーヒー創業100周年記念商品です。
https://shallwedrip.com/product/since1920.html
創業当時の製法に磨きをかけた、懐かしくも新しい味わいのブレンドコーヒーなんだそうです。
中煎りで、酸味が中間、苦みとコクが軽めということなのでさっぱりと飲みやすい味わいなんでしょうか。
開封が楽しみです。

nice!(18)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

恩田陸さん「八月は冷たい城」 [本☆☆]


八月は冷たい城 (講談社タイガ)

八月は冷たい城 (講談社タイガ)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/10/24
  • メディア: 文庫



というわけで『七月に流れる花』を読み終えてすぐに読んでみました。いわゆる上下巻の体裁です。

夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。ともに城を訪れたのは、二年ぶりに再会した幼馴染みの卓也(たくや)、大柄でおっとりと話す耕介(こうすけ)、唯一、かつて城を訪れたことがある勝ち気な幸正(ゆきまさ)だ。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数――不穏な空気が漂うなか、三回鐘が鳴るのを聞きお地蔵様のもとへ向かった光彦は、茂みの奥に鎌を持って立つ誰かの影を目撃する。閉ざされた城で、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き……? 彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。短くせつない「夏」が終わる。
(出版社HPより)

『七月に流れる花』でなぜ少年少女が城に集められるのかが明かされ、本作でより広い世界観や「みどりおとこ」の謎が明かされます。

夏草の生い茂る古城での共同生活というのどかな環境と対照的なダークファンタジーさが強く印象に残りました。
更には少年たちを襲うホラー的展開とミステリ要素が重なり、上手いなあと思いました。

ひと夏の成長物語とも取れなくはないかな。

nice!(18)  コメント(0) 
共通テーマ:

恩田陸さん「七月に流れる花」 [本☆☆]


七月に流れる花 (講談社タイガ)

七月に流れる花 (講談社タイガ)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/09/20
  • メディア: 文庫



ノスタルジックでホラーの要素を持ったファンタジーです。
けれども、この本単体では評価しづらいです。

坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。
坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。城には三つの不思議なルールがあった。鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。水路に花が流れたら色と数を報告すること。少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。
(出版社HPより)

坂道と石段の多い地方都市で夏を過ごすミチル、と思ったら全身緑色をした「みどりおとこ」に連れられて蔦で覆われた夏流城で同年代の少女たちと共同生活を送ることに。
そこでは様々なルールが課せられます。
展開が謎過ぎます。なんなん?「みどりおとこ」って。

やがて夏流城に籠る理由が明かされるのですが、唐突すぎます。
転送してきたばかりのミチルの視点なので、情報が全く与えられていない状況ではあるのですが、冒頭でちらっとでも匂わせていれば納得できたかもしれません。

物語が進むにつれて明らかになるのですが、構成に難があるように思いました。

種明かしをされて、ファンタジーからSFに転じましたが、なるほどと納得しました。
恩田さんらしい世界観です。

どうやら続編らしき『八月は冷たい城』とワンセットで読まないといけないようです。

nice!(18)  コメント(0) 
共通テーマ:

ビックカメラさんから株主優待をいただきました 2019冬 [株主優待]

ありがとうございます[わーい(嬉しい顔)]

長期優待と合せて3,000円分の商品券をいただきました。

b01_783809.jpg

アレを買う足しにしようっと。

nice!(19)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

坂木司さん「アンと青春」 [本☆☆]


アンと青春 (光文社文庫)

アンと青春 (光文社文庫)

  • 作者: 坂木 司
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2018/10/10
  • メディア: 文庫



和菓子のアン』の続編です。
日常の謎とともに、仕事とは、自分はどうあるべきか、を悩み問いかけるお仕事小説になっています。

「空の春告鳥」「女子の節句」「男子のセック」「甘いお荷物」「秋の道行き」の5編が収められています。

アンちゃんがデパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めて八ヶ月。販売の仕事には慣れてきたけど、和菓子についてはまだまだ知らないことばかりだ。でも、だからこそ学べることもたくさんある。みつ屋の個性的な仲間に囲まれながら、つまずいたり悩んだりの成長の日々は続きます。今回もふんだんのあんことたっぷりの謎をご用意。待ちに待ったシリーズ第二弾!
(出版社HPより)

東京駅に隣接するデパートにある和菓子屋が舞台ということで、様々な人が行き交う場所でもありますし、色々なお店の従業員もいるわけで、謎が発生する舞台としてはうってつけですね。

謎が単なる謎に終わらず、その人の人生や環境といった背景まで窺い知れる奥行きがあります。

また、和菓子に込められた意味、時候や季節を菓子の中にいかに表現しているかなど雑学としても面白いです。

もちろん、アンちゃんの日々の仕事を通しての気づきや成長もしっかり描かれていて、良質な小説になっています。

nice!(19)  コメント(0) 
共通テーマ:

奥泉光さん「『吾輩は猫である』殺人事件」 [本☆☆]


『吾輩は猫である』殺人事件 (河出文庫)

『吾輩は猫である』殺人事件 (河出文庫)

  • 作者: 奥泉 光
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2016/04/05
  • メディア: 文庫



長い!読んでも読んでもまだまだ先がある~。
そして怪作です。好き嫌いが分かれる作品です。

「猫」の最後に死んだはずが、目覚めたらなぜか上海にいた「吾輩」。そこへ飛び込んだ苦沙弥先生殺害の報、そして犯人はこの街に? 漱石文体を駆使した書下ろし1000枚、純文学をぶっ飛ばす奇想天外の大冒険ミステリー。
「吾輩は猫である。名前はまだ無い」この一行に、大きな謎が仕組まれていたとは―。上海の街に苦沙弥先生殺害の報せが走り、猫の「吾輩」はじめ、おなじみ寒月、東風、迷亭に三毛子、さらには英国猫のホームズやワトソン、シャム猫の伯爵など、集まった人が、猫が入り乱れ、壮大な野望と謀議が渦を巻く。卓抜な模写文体とロマンで、日本文学の運命を変えた最強のミステリー。
(出版社HPより)

労作です。漱石調の文章は読み慣れないので大変ですが、テンポがよく語り口が楽しめます。
とにかく夏目漱石への敬愛の念が感じられます。

ホームズ、ワトソン、バスカヴィル家の狗に、モリアティー教授まで。更には「伯爵」「将軍」「虎君」「マダム」と呼ばれる猫たちが活躍します。

彼らの推理合戦はそれぞれの特徴があって面白いです。

なにより明治の時代の上海という混沌と猥雑さが漂ってくる空気感がよく、遠く離れた東京で起こった苦沙弥先生を殺害した犯人を推理するだけでなく、「吾輩」の失われた記憶や、そもそもなぜ「吾輩」に名前がないかまでを探ります。

ミステリで始まって、ミステリで進んだのに、最後はSFって、どゆこと?

nice!(20)  コメント(0) 
共通テーマ:

佐原を散策 [旅行]

香取神宮から佐原に移動して、散策します。

「北総の小江戸」と呼ばれる水郷の町なんだそうです。
小野川沿いに雰囲気のある建物が並んでいます。

b01_230418.jpg

b01_230619.jpg

b01_231535.jpg

b01_231651.jpg

日本全土を測量した伊能忠敬は18歳のときに伊能家に婿入りして、50歳まで佐原で家業の酒造業や名主を務めたそうです。

伊能家旧宅。
b01_230905.jpg


お昼は小堀屋本店で黒天もりをいただきました。
http://koboriya.jp/

b02_003717_1_2.jpg

昆布を練りこんでいるという麺は真っ黒です。
つゆは醤油がまさっていて、鰹出汁は控えめに感じました。

b02_004329_1.jpg


食後は珈琲玉澤でお茶しました。
こだわりの茶器などを揃えているお店のようです。
https://www.instagram.com/coffeetamazawa/?hl=ja

ブレンドコーヒー。
b03_344212.jpg

ピンクレモネード。
下に沈んでいる層をかき混ぜると全体がピンクになりました。なにこれ。
b03_344149.jpg

ご馳走様でした。

nice!(20)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

香取神宮へ参拝 [参拝]

東国三社のひとつである香取神宮へ参拝しました。
https://katori-jingu.or.jp/

JRの駅からは遠いので、東京駅から高速バスで行きました。参道前まで1時間20分ほど。

鹿島神宮と並んで国家鎮護の神として崇敬されている香取神宮は特別な感じがあります。2600年以上の歴史があるそうです。

参道商店街を抜けた先にある大鳥居。
b00_000458.jpg

表参道は木々が生い茂り、石灯籠が並びます。
夜に石灯籠に火を灯したら雰囲気出そう。
b00_000823.jpg

総門前の鳥居。
b00_001025.jpg

階段下から見上げる総門はコントラストが美しい。
b00_001129.jpg

楼門は1700年に徳川幕府によって造営されたそうです。重要文化財。
b00_001302_1.jpg

本殿、拝殿は檜皮葺に黒漆の壁に金の装飾が格好いいです。
こちらも楼門は1700年に徳川幕府によって造営。重要文化財。
b00_001540.jpg

続きを読む>>>


nice!(19)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。