石持浅海「二千回の殺人」 [本☆]
死屍累々。
復讐の為に、汐留のショッピングモールで無差別殺人を決意した篠崎百代。最悪の生物兵器《カビ毒》を使い殺戮していく。殺される者、逃げ惑う者、パニックがパニックを呼ぶ史上最凶の殺人劇。
(出版社HPより)
動機はともかく、手段が滅茶苦茶です。
そもそも、愛する婚約者を失った百代の狂気はともかく、百代に協力する「五人委員会」はそれぞれの思惑はあったとしても同調する理由にはならないと思います。知性はあっても理性はないってこと? 登場人物たちには幻滅を通り越して嫌悪感さえ覚えました。
石持さんらしいミステリは欠片もありません。ただ流されていくだけ。
唯一、面白く思えたのは計画するにあたって「五人委員会」の知識を総動員して身近な素材から毒物を生成して、いかに「効率的に」殺害するかを人間行動学やマーケティングをベースにするというものでした。