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千早茜さん「おとぎのかけら 新釈西洋童話集」 [本☆☆]


おとぎのかけら 新釈西洋童話集 (集英社文庫)

おとぎのかけら 新釈西洋童話集 (集英社文庫)

  • 作者: 千早 茜
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/08/21
  • メディア: 文庫



放送終了してしまったゴロウデラックスでカリスマ書店員の新井見枝香さんがお勧めしていたので読んでみました。

「迷子のきまり-ヘンゼルとグレーテル-」「鵺の森-みにくいアヒルの子-」「カドミウム・レッド-白雪姫-」「金の指輪-シンデレラ-」「凍りついた眼-マッチ売りの少女-」「白梅虫-ハーメルンの笛吹き男-」「アマリリス-いばら姫-」の7編が収録されています。

母親から育児放棄されかけている幼い兄と妹は、花火大会の夜にデパートでわざと迷子になる。公園で出会った女に連れて行かれたマンションで待っていたのは、甘いケーキと、そして…(迷子のきまり ヘンゼルとグレーテル)。「白雪姫」「シンデレラ」「みにくいアヒルの子」など誰もが知る西洋童話をモチーフに泉鏡花文学賞受賞作家が紡いだ、美しくも恐ろしい七編を収録した短編集。
(「BOOK」データベースより)

西洋の有名な童話を現代日本に舞台を置き換えています。
牧歌的で良心的で教訓めいた童話が現代の悪意に溢れた残酷な物語になっています。

昔々、背伸びをして倉橋由美子さんの『大人のための残酷童話』を読んで毒気に当てられたことを思い出しました。

エロティックで毒々しくてダークな結末が並ぶ作品の中に「金の指輪」や「アマリリス」といったほっとするエンディングの物語があり、構成の妙が感じられました。

毒の強さでは倉橋由美子さんに軍配が上がるように思いました。

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