上田早夕里さん「魚舟・獣舟」 [本☆☆]
「オーシャンクロニクル・シリーズ」と呼ばれる海洋SF小説をはじめとする短編集です。
本格SF、ホラー、ファンタジー、ミステリとバラエティに富んだ作品群と相変わらずの想像力に溢れた世界に圧倒されます。
「魚舟・獣舟」「くさびらの道」「饗応」「真朱の街」「ブルーグラス」「小鳥の墓」の6編が収められています。
現代社会崩壊後、陸地の大半が水没した未来世界。そこに存在する魚舟、獣舟と呼ばれる異形の生物と人類との関わりを衝撃的に描き、各界で絶賛を浴びた表題作。寄生茸に体を食い尽くされる奇病が、日本全土を覆おうとしていた。しかも寄生された生物は、ただ死ぬだけではないのだ。戦慄の展開に息を呑む「くさびらの道」。書下ろし中編を含む全六編を収録する。
(出版社HPより)
なんといっても「魚舟・獣舟」の世界観に引き込まれます。魚舟、獣舟と海に暮らす海上民との関係性は予想をはるかに超えるものでした。
その勢いで「くさびらの道」を読んで衝撃を受けました。怖い…。
この2作以外の作品も強いイマジネーションと世界観を楽しみました。