DVD「天然コケッコー」を観ました [映画・DVD]
くらもちふさこさんの漫画を原作にした映画です。
原作は読んだことがないのですが、良質な青春映画です。
島根県の山村が舞台です。主人公は中学2年の右田そよ。子供たちは年下ばかりの面倒見のいいお姉さんです。
小学校と中学校が同じ校舎で、生徒は小中合わせて6人。そんな学校に東京から転校生がやってきます。大沢広海はぶっきらぼうなイケメン男子で、そよの初めての同級生でした。
そよと広海を中心とした中学卒業までの2年間の様々な出来事が季節を織り込みながら描かれます。
小学校高学年から中学生となると、男女お互いを意識して距離ができてしまいがちなんですが、そもそも生徒が少ないせいなのか、近すぎず遠すぎずのいい距離感が描かれています。
純朴なそよ(石見弁というのでしょうか、広島弁のごつさと京都弁のはんなりした感じがミックスされた印象を受けました。女の子が自分のことを「わし」というところはなんかいいですね)と、対照的な都会っこの広海がすれ違ったり仲違いしたり近づいたりと、べったりでない自然な感じの関係が好ましいです。
大きな出来事があるわけでもないのですが、その淡々と描かれた日常が身近に感じられるのかもしれません。
朝もやにかすむ村の風景のショットが美しいです。住んでいる人には不便極まりないのかもしれませんが、無人駅、ごつごつした海岸線、煙たなびく田畑、それらの自然豊かな景色が住人のおおらかさを生み出しているのかも、と思いました。
住民はみな顔見知りという小さな町でゆったりと暮らす人々、のんびりとすくすく育つ子供たち、それを愛情もって見つめる学校の先生たち、奇をてらわないカメラワークがそんな人たちを映し出しています。
最年少のさっちゃんがいい味を出しています。そよにべったりの甘えん坊なんですが、癒しを与えてくれる存在です。
そよの母(夏川結衣さん)も別の意味で存在感を発揮していました。夫の浮気現場(?)を目撃しても動じない、でも能面のような表情はマジで怖かった…。
そんな人たちに囲まれて過ごしたそよと広海の純愛物語でした。
(『天然コケッコー』の意味がわからなかったのが残念)
映画「トイレット」を観ました [映画・DVD]
http://www.cinemacafe.net/official/toilet-movie/
『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子監督作品です。
今回はカナダ・トロントでロケされ、日本人キャストはもたいまさこさんだけでしたが、不思議と日本映画でした。荻上さんカラーが出ていたということなんでしょうか。
母を亡くしたカナダ人3兄妹と「ばーちゃん」と呼ばれる日本人と猫の物語です。
ロボットプラモデルオタクで研究員のレイ、ひきこもり4年のピアニストのモーリー、勝気な大学生の妹のリサの3兄妹は母を亡くしてバラバラになりかけていました。生家を売って個別に暮らそうとしていましたが、一つ問題がありました。母が生前に日本から呼んだ「ばーちゃん」でした。英語の通じないばーちゃん相手に兄弟はなんとか意思疎通を図ろうと四苦八苦します。モーリーは母の形見の古びたミシンを修理して動かすようにし、リサは自分が「フェイク」じゃないことを証明するためのなにかを探し、個人主義者のレイはそんな兄妹に振り回され、猫のセンセーはエサをもらえず(?)。 やがて彼らはそれぞれになにかを見つけます。そんな彼らを見守るばーちゃん。
エキセントリックに走るモーリー、ファンキーになっていくリサ、黙々とロボットプラモ作りに打ち込むレイ(地味…)たち以上に存在感があるのがばーちゃん役のもたいさんです。セリフはたった2言。それなのにその存在感といったらありません。動きもそれほどなく、ほとんどが表情だけの演技なんですが、それが見事です。実にいい表情を見せてくれます。
『かもめ食堂』『めがね』のような映画を期待した人には物足りなかったかもしれませんが、じんわりとした気持ちになりました。
ストーリイとしては簡潔な分だけ説明不足なところもありましたが、詰め込まれた情報で考えるよりも、感じることのできる映画だと思いました。
『かもめ食堂』『めがね』の荻上直子監督作品です。
今回はカナダ・トロントでロケされ、日本人キャストはもたいまさこさんだけでしたが、不思議と日本映画でした。荻上さんカラーが出ていたということなんでしょうか。
母を亡くしたカナダ人3兄妹と「ばーちゃん」と呼ばれる日本人と猫の物語です。
ロボットプラモデルオタクで研究員のレイ、ひきこもり4年のピアニストのモーリー、勝気な大学生の妹のリサの3兄妹は母を亡くしてバラバラになりかけていました。生家を売って個別に暮らそうとしていましたが、一つ問題がありました。母が生前に日本から呼んだ「ばーちゃん」でした。英語の通じないばーちゃん相手に兄弟はなんとか意思疎通を図ろうと四苦八苦します。モーリーは母の形見の古びたミシンを修理して動かすようにし、リサは自分が「フェイク」じゃないことを証明するためのなにかを探し、個人主義者のレイはそんな兄妹に振り回され、猫のセンセーはエサをもらえず(?)。 やがて彼らはそれぞれになにかを見つけます。そんな彼らを見守るばーちゃん。
エキセントリックに走るモーリー、ファンキーになっていくリサ、黙々とロボットプラモ作りに打ち込むレイ(地味…)たち以上に存在感があるのがばーちゃん役のもたいさんです。セリフはたった2言。それなのにその存在感といったらありません。動きもそれほどなく、ほとんどが表情だけの演技なんですが、それが見事です。実にいい表情を見せてくれます。
『かもめ食堂』『めがね』のような映画を期待した人には物足りなかったかもしれませんが、じんわりとした気持ちになりました。
ストーリイとしては簡潔な分だけ説明不足なところもありましたが、詰め込まれた情報で考えるよりも、感じることのできる映画だと思いました。
借りぐらしのアリエッティを観ました [映画・DVD]
ジブリアニメ=宮崎アニメと期待した方には期待外れだったかもしれませんが、次世代のジブリとして観るなら期待通りのクオリティだったように思います。
少年の翔は、病気療養のために祖母の家にやってきます。そこは古い洋館で、祖母とお手伝いさんが暮らしていました。その庭で翔はあるものを目にします。小人でした。アリエッティという名の14歳の少女でした。 アリエッティは父母と3人で洋館の軒下に家を作って暮らしていました。水やガス、家具など生活の一切を借りて。 その夜、アリエッティは父と初めての「借り」に出かけます。そこでアリエッティは翔に姿を見られてしまいます。借りぐらしの人々は人間に姿を見られてはならない、という掟がありました。 退屈と寂しさと好奇心からアリエッティに接近しようとする翔と、人間への好奇心と警戒心がないまぜになるアリエッティは次第に接近していきます。 そんなある日、翔のある行動からアリエッティ一家は危機に襲われます。
原作『床下の小人たち』を下敷きにしています。ただし原作(全5作)の1作目にあたります。ストーリイ展開はその1作目通りです。場所を日本の東京郊外に置き換えて、借りぐらしの品物を現代風にしています。
その意味ではアリエッティ一家の生活は丁寧に書かれていたと思います。もしかしたら自分の家にも借りぐらしの人たちがいるかも、と思わせるほどに。
少年との交流場面が多いのが映画の特徴でしょうか。「借りぐらし」一族のスピラーは原作では2作目で登場します。
残念なのは映画オリジナルとなる部分の仕掛けがなかったことです。そのためか、単なるボーイ・ミーツ・ガールの物語で終わってしまい、話が薄っぺらく感じてしまいました。テーマというか、根底に流れるものが曖昧な気がしました。
絵は丁寧でした。最初のベンツが角を曲がるシーンがぎこちなかったので「大丈夫か」と思いましたが、それ以外はスムーズに丁寧に描かれていました。露の様子や蔦の感じなど、小人たちの視線からの世界がリアルさをもっていました。本で読んだアリエッティの家の様子などもイメージ通りでした。
宮崎駿さんが脚本を書いたということで、敷かれたレール通りに走った感はありましたが、初監督作品としてはよかったんじゃないかと思います。
個人的には『天空の城ラピュタ』が好きなので、想像力を刺激されるような空間的拡がりのある作品が見たいです。
少年の翔は、病気療養のために祖母の家にやってきます。そこは古い洋館で、祖母とお手伝いさんが暮らしていました。その庭で翔はあるものを目にします。小人でした。アリエッティという名の14歳の少女でした。 アリエッティは父母と3人で洋館の軒下に家を作って暮らしていました。水やガス、家具など生活の一切を借りて。 その夜、アリエッティは父と初めての「借り」に出かけます。そこでアリエッティは翔に姿を見られてしまいます。借りぐらしの人々は人間に姿を見られてはならない、という掟がありました。 退屈と寂しさと好奇心からアリエッティに接近しようとする翔と、人間への好奇心と警戒心がないまぜになるアリエッティは次第に接近していきます。 そんなある日、翔のある行動からアリエッティ一家は危機に襲われます。
原作『床下の小人たち』を下敷きにしています。ただし原作(全5作)の1作目にあたります。ストーリイ展開はその1作目通りです。場所を日本の東京郊外に置き換えて、借りぐらしの品物を現代風にしています。
その意味ではアリエッティ一家の生活は丁寧に書かれていたと思います。もしかしたら自分の家にも借りぐらしの人たちがいるかも、と思わせるほどに。
少年との交流場面が多いのが映画の特徴でしょうか。「借りぐらし」一族のスピラーは原作では2作目で登場します。
残念なのは映画オリジナルとなる部分の仕掛けがなかったことです。そのためか、単なるボーイ・ミーツ・ガールの物語で終わってしまい、話が薄っぺらく感じてしまいました。テーマというか、根底に流れるものが曖昧な気がしました。
絵は丁寧でした。最初のベンツが角を曲がるシーンがぎこちなかったので「大丈夫か」と思いましたが、それ以外はスムーズに丁寧に描かれていました。露の様子や蔦の感じなど、小人たちの視線からの世界がリアルさをもっていました。本で読んだアリエッティの家の様子などもイメージ通りでした。
宮崎駿さんが脚本を書いたということで、敷かれたレール通りに走った感はありましたが、初監督作品としてはよかったんじゃないかと思います。
個人的には『天空の城ラピュタ』が好きなので、想像力を刺激されるような空間的拡がりのある作品が見たいです。
映画「アリス・イン・ワンダーランド」を観ました [映画・DVD]
ティム・バートン監督、ジョニー・デップ出演の映画は毎回見に行っていますが、今回も期待を裏切らない映画でした。ジョニー・デップの出番が少ないのは、主役じゃないから、仕方ないですね。
19歳になったアリスは、6歳のときの不思議の国での記憶を悪夢だと信じ込んで、それ以来見る悪夢にずっとうなされ続けていました。そんなある日、好きでもない相手との結婚を申し込まれてしまったアリスはチョッキをきたウサギを見ます。ウサギを追って穴に落ちてしまった先は「アンダーランド」でした。
「アンダーランド」は独裁的な赤の女王に支配され、暗黒時代の様相を呈していました。地下の住人たちにアリスこそが救世主と信じられていました。否応なしにアリスは、かつて統治者だった白の女王のためにマッド・ハッターたちと戦うことになります。
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』とも未読なんですが、それでも主要な登場人物を知っているように思うのはなぜでしょうね。
アリス役のミア・ワシコウスカはちょっと見た目、不健康そう(目の下の隈のようなアイメイクのせい?)ですが凛とした美しさがあります。いろいろな衣装を着るんですが、どれもかわいいものばかりでした。
マッド・ハッター役のジョニー・デップはエキセントリックさが足りない気がしました。ティム・バートンの世界観とジョニー・デップの存在感を見たさに行っているのに、どちらも抑え気味な感じで少し残念です。それでも「らしさ」はしっかりあるので楽しめました。(あまりに毒々しいと子供に悪影響を及ぼす?)
『チャーリーとチョコレート工場』のハチャメチャさでもなく『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』のおどろおどろしさでもなく、その中間という感じでした。
チェシャ・キャットはかわいかった。お持ち帰りしたい。消えちゃうけど。。。
3Dは正直ガッカリでした。オープニングで『Disney』の文字が見えたときは期待が高まったんですが、遠近感がある程度。よかったのはチェシャ・キャットが煙になって消えるシーンとラストくらいですかね。
赤の女王対白の女王の戦闘シーンをがっつり3Dで見たかったなあ。
白の女王が一番腹黒く思えたのは自分だけでしょうか。高貴そうな感じで、そんなこと思ってもいないような顔で悪辣なことを他人に仕向ける、そんな感じがしたんですが。それは自分の性格が捻じ曲がっているからかな。
想像していなかったラストシーンですが、テーマともぴったり合って納得のものでした。
面白かったです。
19歳になったアリスは、6歳のときの不思議の国での記憶を悪夢だと信じ込んで、それ以来見る悪夢にずっとうなされ続けていました。そんなある日、好きでもない相手との結婚を申し込まれてしまったアリスはチョッキをきたウサギを見ます。ウサギを追って穴に落ちてしまった先は「アンダーランド」でした。
「アンダーランド」は独裁的な赤の女王に支配され、暗黒時代の様相を呈していました。地下の住人たちにアリスこそが救世主と信じられていました。否応なしにアリスは、かつて統治者だった白の女王のためにマッド・ハッターたちと戦うことになります。
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』とも未読なんですが、それでも主要な登場人物を知っているように思うのはなぜでしょうね。
アリス役のミア・ワシコウスカはちょっと見た目、不健康そう(目の下の隈のようなアイメイクのせい?)ですが凛とした美しさがあります。いろいろな衣装を着るんですが、どれもかわいいものばかりでした。
マッド・ハッター役のジョニー・デップはエキセントリックさが足りない気がしました。ティム・バートンの世界観とジョニー・デップの存在感を見たさに行っているのに、どちらも抑え気味な感じで少し残念です。それでも「らしさ」はしっかりあるので楽しめました。(あまりに毒々しいと子供に悪影響を及ぼす?)
『チャーリーとチョコレート工場』のハチャメチャさでもなく『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』のおどろおどろしさでもなく、その中間という感じでした。
チェシャ・キャットはかわいかった。お持ち帰りしたい。消えちゃうけど。。。
3Dは正直ガッカリでした。オープニングで『Disney』の文字が見えたときは期待が高まったんですが、遠近感がある程度。よかったのはチェシャ・キャットが煙になって消えるシーンとラストくらいですかね。
赤の女王対白の女王の戦闘シーンをがっつり3Dで見たかったなあ。
白の女王が一番腹黒く思えたのは自分だけでしょうか。高貴そうな感じで、そんなこと思ってもいないような顔で悪辣なことを他人に仕向ける、そんな感じがしたんですが。それは自分の性格が捻じ曲がっているからかな。
想像していなかったラストシーンですが、テーマともぴったり合って納得のものでした。
面白かったです。
DVD「僕の彼女はサイボーグ」を観ました [映画・DVD]
「サイボーグじゃなくて、アンドロイドじゃん」と思ったのですが、欧米では『ターミネーター』もサイボーグと捉えるらしいですね。『サイボーグ009』や『ロボコップ』からすると、定義が曖昧になっているような。
「猟奇的な彼女」「ボクの彼女を紹介します」などの代表作のクァク・ジェヨン監督作品(でもスタッフロールを見ると他は日本人)です。いい意味でも悪い意味でも監督らしさが出ていると思います。日本が舞台なんですが、どこか日本ぽくない、東アジアという感じの街の景色も目新しかったです。
心優しくも冴えない大学生のジローが一人寂しく誕生日を祝っている目の前に、一人の女性が現れます。彼女は未来のジローが心血注いで作り、彼に降りかかる災難から守るために過去の自分に向けて送り出したサイボーグでした。それから奇妙な共同生活が始まります。
ストーリイはシンプルかと思えばしっかりと伏線があって、破綻もなく疑問に思った点もしっかりと答えが提示されています。
ただ、細かいところを挙げれば、タイムパラドクスは無視されていますし、ある意味で恋愛ものではあるが…とか、ジローの故郷を訪ねるシーンは必要かなどいろいろ気になる箇所はあります。
また、キャラクタ造形は監督の代表作にそっくりですし、いくつかの場面でデジャヴが… ^^;
オリジナリティという点でどうかなぁ、と思ってしまいました。
キャストはよかったと思います。
小出恵介さんは情けない男子を好演していますし、なんとか「彼女」に自分の想いを伝えようとする気持ちが伝わってきました。どんな役もこなす人だなー。
綾瀬はるかさんはサイボーグ役という難しい役柄を感情を抑えた演技でこなしていましたし、表情豊かなシーンではキュートな魅力にあふれていました。他のドラマなどで眉間にしわを寄せる役も多いですが、こちらのほうが数段いいと思いました。
ラストシーンは予想外でした。やられたというのと、反則技だというのと。
満点とはいいがたい作品ですが、エンターテイメントとして楽しめる作品だと思います。
DVD「四日間の奇蹟」を観ました [映画・DVD]
原作を読んでいたので、ある程度の期待を持って観てみました。
感想としては、いいとこもあり、悪いとこもありといったところでしょうか。
ピアニストとしての才能を期待されていた敬輔(吉岡秀隆)は、不慮の事故によりピアニスト生命を立たれてしまいます。敬輔はその事故で孤児となった千織(尾高杏奈)のピアノの才能を見い出し、日本中を慰問演奏で回っています。ある島の療養センターに赴いたふたりは、そこで働く真理子(石田ゆり子)と知りあいます。真理子は敬輔の高校の後輩で、密かに想いを寄せていました。ところが、突然の落雷事故で千織と真理子の心が入れ替わってしまい、千織をかばった真理子は命に関わる重傷を負ってしまいます…。
キャストが素晴らしいです。とりわけ石田ゆり子さんは、去年見たドラマ『外事警察』でも陰のある女性を熱演していました。吉岡秀隆さんや、西田敏行さん、中越典子さんもよかった。新人ながら難しい役どころを演じた尾高杏奈さんもよかったです。
一方、映像や演出はあまり…でした。原作に忠実ではあったと思いますが、映画っぽくない、テレビドラマを見ているようでした。ただ、千織と真理子の心が入れ替わってしまった後、千織の姿が時折真理子になる(石田さんが演じている)という演出があって、最初は違和感があったのですが、演出の意図がわかるとすんなり受け入れられました。(演技力の問題もあったかもしれませんが…)
テーマとして理不尽な運命をどう受け止めるのか、というのがあると思うのですが、石田さんの熱演でひしひしと伝わってきました。対照的な吉岡さんの抑えた演技が安っぽい「お涙ちょうだい」になるのを防いでいるように感じました。
ファンタジーの部分がかなりあって、展開上の無理もありますが、役者さんの熱演としっかり表現されたテーマを味わいたい方にはお勧めです。
映画「Disney'sクリスマス・キャロル」を観ました [映画・DVD]
アニメっなんですかね、CGとモーション・キャプチャーを駆使してよりリアルな映像になっています。キャスト(ジム・キャリー、ゲイリー・オールドマン)やスタントマンがエンドロールで流れるアニメって…。
スクルージは会計士を営む老人です。偏屈で金の亡者である彼は町中の人から嫌われていました。
あるクリスマス・イブの夜、共同経営者だった友人の亡霊が現れます。友人は彼の元に3人(?)の精霊が現れることを予言します。その予言通りに現れた精霊たちは過去・現在・未来をスクルージに見せます。
スクルージが自分の過去を振り返り、その先に見たものは…?
ちょっと描き方が浅いような気がしました。スクルージの生い立ちや、金の亡者となった理由がよくわかりませんでした。結末も納得できるようなできないような。
その反面、映像はさすがですね。陰鬱なロンドンの街(行ったことないけど)が質感まで感じられましたし、登場人物の表情は豊かでした。なかでもジム・キャリーはスクルージと3精霊を演じていたのですが、見事に演じ分けていて、芸達者とはこういうことをいうのかも、と思いました。
CGも見ていて楽しかったです。この辺りはディズニーらしさ満載でした。
原作は未読なので、読んでみたいと思います。
スクルージは会計士を営む老人です。偏屈で金の亡者である彼は町中の人から嫌われていました。
あるクリスマス・イブの夜、共同経営者だった友人の亡霊が現れます。友人は彼の元に3人(?)の精霊が現れることを予言します。その予言通りに現れた精霊たちは過去・現在・未来をスクルージに見せます。
スクルージが自分の過去を振り返り、その先に見たものは…?
ちょっと描き方が浅いような気がしました。スクルージの生い立ちや、金の亡者となった理由がよくわかりませんでした。結末も納得できるようなできないような。
その反面、映像はさすがですね。陰鬱なロンドンの街(行ったことないけど)が質感まで感じられましたし、登場人物の表情は豊かでした。なかでもジム・キャリーはスクルージと3精霊を演じていたのですが、見事に演じ分けていて、芸達者とはこういうことをいうのかも、と思いました。
CGも見ていて楽しかったです。この辺りはディズニーらしさ満載でした。
原作は未読なので、読んでみたいと思います。
映画「THIS IS IT」を観ました [映画・DVD]
やっぱりマイケル・ジャクソンは偉大だと改めて思いました。
2週間限定ということもあって行きましたが、予想以上の出来に感動しました。
ロンドン公演のリハーサル映像を編集したものに、スタッフやミュージシャンなどの共演者のインタビュー映像を織り交ぜているのですが、見どころはやはりリハーサル映像です。50歳とは思えないダンスに声の伸びに驚かされ、エンターテイナーとして観客を楽しませたい驚かせたいという常に可能性を求める真摯で妥協を許さない姿勢に感動しました。しっかりとしたビジョンを持っているため、周囲に要求できるんだろうなと思いました。
ダンスも「流している」感じが見えるのですが、ツボを押さえているというか、スイッチが入る瞬間とでもいうのか、周りの選び抜かれたダンサーから浮き上がってくるシーンが多くありました。
歌についても背筋がゾクゾクするシーンが何度もありました。リハなのに、リハのはずなのに。。。
改めて世界はすごいアーティストを失くしたんだと思いました。くだらない人々のために。
その一方で周囲の人たちへの気さくな態度がP.V.やコンサートDVDでは見られなかった素の顔を見せてくれていたように思います。
もちろんミュージシャンやコーラス、ダンサーも選び抜かれた人だけあって、彼らの見せる音や声や踊り(彼らは手抜き一切なし。当たり前だけれど)も素晴らしいです。
その意味で言えば、残念な事件ではありましたが、それがなければこの映像も公開されることはなかったのかもしれません。それがいいことなのかどうかは別として。
マイケル・ジャクソンといえば高音というイメージが強かったんですが、声の艶っぽさに気がつきました。今更ながらですが。CDで聞き直そうっと。
あっという間の2時間でした。
2週間限定ということもあって行きましたが、予想以上の出来に感動しました。
ロンドン公演のリハーサル映像を編集したものに、スタッフやミュージシャンなどの共演者のインタビュー映像を織り交ぜているのですが、見どころはやはりリハーサル映像です。50歳とは思えないダンスに声の伸びに驚かされ、エンターテイナーとして観客を楽しませたい驚かせたいという常に可能性を求める真摯で妥協を許さない姿勢に感動しました。しっかりとしたビジョンを持っているため、周囲に要求できるんだろうなと思いました。
ダンスも「流している」感じが見えるのですが、ツボを押さえているというか、スイッチが入る瞬間とでもいうのか、周りの選び抜かれたダンサーから浮き上がってくるシーンが多くありました。
歌についても背筋がゾクゾクするシーンが何度もありました。リハなのに、リハのはずなのに。。。
改めて世界はすごいアーティストを失くしたんだと思いました。くだらない人々のために。
その一方で周囲の人たちへの気さくな態度がP.V.やコンサートDVDでは見られなかった素の顔を見せてくれていたように思います。
もちろんミュージシャンやコーラス、ダンサーも選び抜かれた人だけあって、彼らの見せる音や声や踊り(彼らは手抜き一切なし。当たり前だけれど)も素晴らしいです。
その意味で言えば、残念な事件ではありましたが、それがなければこの映像も公開されることはなかったのかもしれません。それがいいことなのかどうかは別として。
マイケル・ジャクソンといえば高音というイメージが強かったんですが、声の艶っぽさに気がつきました。今更ながらですが。CDで聞き直そうっと。
あっという間の2時間でした。
DVD「ハチミツとクローバー」を観ました [映画・DVD]
原作は読んだことがないんですが、タイトルは耳にしたことがあって観てみました。
青春ですね、いいですね ^o^/
美大生5人の恋愛が描かれます。
竹本(櫻井翔)はある日、飲み会で教授の家に行った竹本は一心不乱に絵を描くはぐみ(蒼井優)に出会い、恋に落ちます。
天才肌の森田(伊勢谷友介)が放浪の旅から帰国し、才能を認め合ったはぐみと呼応しあいます。
真山(加瀬亮)はバイト先のデザイナーに好意を寄せて密かに後をつけ、あゆみはそんな真山を想っています。
はぐみと森田の才能を見せつけられた竹本は自分の平凡さを思い知らされます。真山はストーカーまがいの行為がバレてアルバイトをクビになります。真山を見守り続けるあゆみは振り向いてもらえません。
5人でポンコツ車で海に行ったり、服のままで海に飛び込んだり、これぞ青春!、というシーンが続きます。竹本の「自分探しの旅」もわろた(失礼)
恋あり挫折あり悩みありのストーリイはなんかくすぐったくなりました。
脇を固める堺雅人さんや西田尚美さんがしっかりしているので安心して見ていられます。
全員が片想い、というのは少人数ならあるかもですが、5人全員が誰かに片想いというのは面白いです。
原作も読んでみたくなりました。
DVD「プラダを着た悪魔」を観ました [映画・DVD]
あまり興味はなかったのですが、観てよかった、面白かったと思いました。
アンディ(アン・ハサウェイ)は大学を優秀な成績で卒業し、ジャーナリストになるためにニューヨークにやってきます。紹介された仕事は超一流ファッション誌「RUNWAY」のカリスマ編集長ミランダ(メリル・ストリープ)の第2アシスタントでした。ファッションに全く興味のないアンディはステップアップの機会ととらえるままに出社します。
しかしミランダは鬼上司でした。次から次へと矢継ぎ早の指示命令の嵐にアンディは翻弄されます。それはオフィスにいるだけでなく、早朝から深夜までアンディの携帯は鳴りっぱなし。友人たちとの飲み会も恋人との時間もそっちのけでアンディは仕事に忙殺されます。さらにミランダの「センスゼロ!」の酷評にアンディは闘志を燃え立たせます。
ハリウッド的ベタなストーリイ展開ですが、飽きさせないのはテンポのいい演出とこれでもかと出てくるブランド服に身を包んでセンスアップしていくアンディ、そして猛烈上司(死語?)ながら時に弱みも見せるミランダの存在感だと思います。
やはりメリル・ストリープの存在感はすごいです。サングラスの奥から光る眼光の鋭さはタダモノではない雰囲気であふれています(って極妻かっ)。けれども威圧感だけでない硬軟織り交ぜた演技でただのイヤな上司にはなっていません。
対するアン・ハサウェイももとからの聡明さに洗練されていく自信が加わっていくさまを魅力的に演じています。もうカワイイだけじゃダメなんですね。仕事はこうあるべし、というお手本のようです。
この手の映画に恋話はつきものなんですが、「なんだってアンディはこんな男と…」と思ってしまうほど男優側がイマイチだと思いました。主演女優2人が魅力的な分だけ男優がかすんでしまう感じがしました。
男優ではアンディの同僚でよき理解者ナイジェル(スタンリー・トゥッチ;「サイズ6」はよくわかりませんが…^_^;)がいい味を出していました。
型枠があるんじゃないかと思うほど定番のサクセスストーリイなんですが、いろんな面で勉強になる意外に魅力的な映画でした。