SSブログ

道尾秀介さん「向日葵の咲かない夏」 [本☆☆]


向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

  • 作者: 道尾 秀介
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/07/29
  • メディア: 文庫



道尾秀介さんの作品は初めて読んだのですが、なんというか、後味の悪い読了感でした。ミステリはミステリなんですが、それを楽しむ以上に読んでて気持ちが凹んでくるし。

ミチオは小学4年生。1学期の終業式の日に休んだS君の家に届け物をしに行きますが、そこでS君が首を吊っている現場に遭遇します。しかし、学校へ駆け込んだ後に担任の岩村先生がS君の家に行ってみると死体は消え失せていました。
その7日後、ミチオは言葉をしゃべる蜘蛛を捕まえます。蜘蛛は自分のことをS君の生まれ変わりだと言い、自分の身体を探してくれと頼みます。やがてS君の死体が見つかり、付近で起きていた犬猫の連続惨殺事件との関係が濃厚になっていきます。
ミチオは3歳の妹ミカとS君とともに事件の真相を探り始めます。

いたるところに不自然さが散りばめられています。もちろん小説的な仕掛けです。妙に聡明なミカ。ミチオを嫌悪しミカを溺愛するヒステリックな母。S君の家の隣人である古瀬泰造の行動。岩村先生のプライベート。巫女のようなトコお婆さんの「お告げ」。これらをどう読み解くかで物語の展開(展望)ががらっと変わってくるように思います。(読み解けずに振り回されました(汗))
ただ、登場人物の「使い捨て」のようなものを感じてしまい、ミスリードを含めた仕掛けとしての必要性はわかるのですが読んでいてすんなりと受け入れることができない部分がありました。
或いはそれすらも結末に向けての仕掛けだったのかもしれませんが…。

更に、ダークな世界がダメな人にはお勧めできません。かなりダークです。どいつもこいつも、という感じで。そんな側面を照射しているといえばそうなんですけど、読んでいてかなりしんどかったです。

少し間を空けてから、別の作品を読んでみたいと思います。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。