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坂木司さん「シンデレラ・ティース」 [本☆☆☆]


シンデレラ・ティース (光文社文庫)

シンデレラ・ティース (光文社文庫)

  • 作者: 坂木 司
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/04/09
  • メディア: 文庫



チャラ男の挨拶みたいな、と思ってしまいました ^^)
日常の謎系ミステリは読みやすいのでつい手に取ってしまいます。歯医者を訪れる患者の謎を解くこの5つの連作短編集もシリーズ化してほしいです。

サキは大学生。友人との海外旅行の費用を稼ぐため、母親の紹介で病院の受付のアルバイトを始めます。ところがアルバイト先というのが歯科医院でした。サキは子供の頃のトラウマで歯医者恐怖症になっていたのです。
受付嬢としてサキが対面する患者の謎やトラブル(患者である彼女の治療が長すぎるとクレームをつける彼氏、電話口では丁寧なのに病院に来ると無愛想な中年男性など)を、歯科技工士の四谷さんが謎解きします。それだけでなく、患者が抱える人に言えない悩みも解決してしまいます。

歯医者というのはなかなか行く機会もないので歯科衛生士とか歯科技工士など聞いたことはあるけどなにをする人か知らなかったのですが、ちゃんと役割分担ができているんですね。ストーリイに歯科治療の話も盛り込まれていて勉強になりました。

今まで読んだ坂木さんの作品では初めての恋愛ストーリイでもあります。主人公のサキがやや乙女チックなので、読んでいて気恥ずかしくなってしまいます。お互い赤面しっぱなしだし、でも着実に距離を縮めていく二人を応援したくなります。

品川院長、歯科医の唯史おじさん(サキの叔父さん)と成瀬さん、歯科衛生士の歌子さんと中野さんと春日さん、事務の葛西さんといった病院メンバーもいい人揃いです。この短編集では人物紹介で終わってしまっているところがあるので、彼らを前面に出した物語も読んでみたいと思いました。
また、坂木さんの作品では食べ物のシーンもよく出てきますが、このシリーズでも美味しそうな料理が出てきて、電車の中で読んでいてお腹が鳴ってしまいました ^^;

ただ、謎解きのためとはいえ、業務以外で個人情報を見たらいかんと思うぞ。

同じ時期にサキの友人のヒロが沖縄の民宿でアルバイトをしていて、サキが電話するシーンが出てきます。このヒロを主人公にした「ホテルジューシー」という作品が姉妹版であるそうです。文庫化されたら読んでみたいと思います。

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