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新海誠さん「小説 秒速5センチメートル」 [本☆☆☆]


小説 秒速5センチメートル (角川文庫)

小説 秒速5センチメートル (角川文庫)

  • 作者: 新海 誠
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2016/02/25
  • メディア: 文庫



映画を見て、読んでみました。ノベライズは読まないんですが、思わず手に取ってしまいました。
アニメはアニメで、小説は小説でいいところがあります。

「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の連作3編が収められています。

「桜の花びらの落ちるスピードだよ。秒速5センチメートル」いつも大切なことを教えてくれた明里、そんな彼女を守ろうとした貴樹。小学校で出会った2人は中学で離ればなれになり、それぞれの恋心と魂は彷徨を続けていく―。劇場アニメーション『秒速5センチメートル』では語られなかった彼らの心象風景を、新海誠監督みずからが繊細な筆致で小説化。1人の少年を軸に描かれる、3つの連作短編を収録する。
(「BOOK」データベースより)

「桜花抄」は種子島への引っ越しを控えた中学生の貴樹が元同級生で今は栃木の岩舟に住む明里に東京都内から会いに行く物語です。しかし大雪で電車が大幅に遅延してしまい、着いたのは深夜になってから。明里は待っていてくれるのでしょうか。
「コスモナウト」は種子島の高校生 花苗の視点で描かれます。東京から来た転校生の貴樹に想いを寄せますが、告白できずにいます。趣味のサーフィンもスランプに陥っていた花苗は、波に立つことができたら貴樹に告白しようと決めます。
「秒速5センチメートル」は再び東京に出てきて社会人になった貴樹の日常が描かれます。大学時代、社会人と女性と付き合ったけれども、貴樹の心が彼女に向いていないことを指摘され、自分が誰を求めているのかを気づかされます。そんなある日、貴樹は明里らしき女性とすれ違います。

繊細な心理描写は小説ならではです。
寡黙で想いを伝えることに不器用な貴樹はアニメでは表情や素振りで気持ちを推測することしかできなかったのですが、小説ではそれを埋めるように描かれなかった心情が伝わってきました。

「コスモナウト」の花苗の貴樹への片想いも心が痛くなります。
貴樹が携帯でメールする相手は誰なのか、が気になりながらも微笑みを見せてくれる貴樹に自分の想いを伝えたい気持ちの葛藤は青春だなぁ。

自分の経験を重ね合わせて、じーんときちゃいました。



秒速5センチメートル [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: コミックス・ウェーブ・フィルム
  • メディア: Blu-ray



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