坂木司さん「アンと青春」 [本☆☆]
『和菓子のアン』の続編です。
日常の謎とともに、仕事とは、自分はどうあるべきか、を悩み問いかけるお仕事小説になっています。
「空の春告鳥」「女子の節句」「男子のセック」「甘いお荷物」「秋の道行き」の5編が収められています。
アンちゃんがデパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めて八ヶ月。販売の仕事には慣れてきたけど、和菓子についてはまだまだ知らないことばかりだ。でも、だからこそ学べることもたくさんある。みつ屋の個性的な仲間に囲まれながら、つまずいたり悩んだりの成長の日々は続きます。今回もふんだんのあんことたっぷりの謎をご用意。待ちに待ったシリーズ第二弾!
(出版社HPより)
東京駅に隣接するデパートにある和菓子屋が舞台ということで、様々な人が行き交う場所でもありますし、色々なお店の従業員もいるわけで、謎が発生する舞台としてはうってつけですね。
謎が単なる謎に終わらず、その人の人生や環境といった背景まで窺い知れる奥行きがあります。
また、和菓子に込められた意味、時候や季節を菓子の中にいかに表現しているかなど雑学としても面白いです。
もちろん、アンちゃんの日々の仕事を通しての気づきや成長もしっかり描かれていて、良質な小説になっています。
2019-11-15 07:57
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