上田早夕里さん「ラ・パティスリー」 [本☆☆☆]
中村祐介さんの表紙イラストで手に取ってみました。
神戸の洋菓子店を舞台にした小説です。
と思ったら、「華竜の宮」や「リリエンタールの末裔」の作家さんでした。意外~。
森沢夏織は、神戸にあるフランス菓子店“ロワゾ・ドール”の新米洋菓子職人。ある日の早朝、誰もいないはずの厨房で、飴細工作りに熱中している、背の高い見知らぬ男性を見つけた。男は市川恭也と名乗り、この店のシェフだと言い張ったが、記憶を失くしていた。夏織は店で働くことになった恭也に次第に惹かれていくが…。洋菓子店の裏舞台とそこに集う、恋人、夫婦、親子の切なくも愛しい人間模様を描く、パティシエ小説。
(出版社HPより)
タイトルの通りフランス菓子店“ロワゾ・ドール”を舞台にした小説です。
新米洋菓子職人の夏織の奮闘記でもありますし、記憶喪失で一流の腕を持つ市川恭也を巡るミステリでもあります。あとちょっと、夏織の恭也への恋愛模様もあります。
また、オーナーやパティシエ(シェフパティシエやスーシェフ、ショコラティエなど細分化されているのも知りました)といった従業員たちの人間模様も描かれます。
なにより製菓のシーンの描写が細かくて想像力が刺激されるほど美味しそうです。ケーキに焼き菓子にチョコレート…。
それだけでなく、お店の経営や構造、デパ地下への出店などもあり盛り沢山です。
盛り沢山だけに全体的に印象が薄かったです。
パティシエって想像以上に重労働なんですね。しかも長時間勤務。これからはありがたく頂かないと。
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