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本多孝好さん「Good old boys」 [本☆☆]


Good old boys (集英社文庫)

Good old boys (集英社文庫)

  • 作者: 本多 孝好
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/05/17
  • メディア: 文庫



小学生のサッカーチームの選手たちとその親を描いた連作短編集です。
親たちの悩みや思い、転校していく仲間へ捧げる小学生たちの1点にかける思いが伝わってきます。

「プロローグ」「エピローグ」と「ユキナリ」「ユウマ」「ヒロ」「リキ」「ショウ」「ダイゴ」「ハルカ」「ソウタ」の8編が収められています。

一番弱いのに、一番楽しくサッカーをやれる「牧原スワンズ」の四年生チーム。公式戦では一勝はおろか、まだ一点も取ったことがない市内屈指の弱さを誇っている。今年最後の公式戦となる市大会に挑む子どもたち。しかし、チームの活動を手伝う父親たちは、それぞれに悩みを抱えていた。八組の家族のありようとその成長を描き、すべての頑張るお父さんと子どもたちへあたたかなエールを贈る物語。
(「BOOK」データベースより)

8人制サッカーって知りませんでした。フットサルとも違うし、もちろん11人制サッカーとも戦術やポジションも変わってくるんでしょう。
スキルも身体能力も性格も異なる小学生たちがポジションを割り当てられ、自由にプレイすることを認められたチーム方針のもとで知恵を絞って意見を交わしながら試合での初得点を目指します。

主役は父親たちです。
職業も生活も異なり、そこから派生する思考も違う父親たちが共通項である子供たちがプレイするサッカーや「パパ友」を通して日々の悩みや不安に対する「なにか」を掴みます。
決して同じ環境はないのですが、少しでも共通項を見出して解決の糸口を探ろうとします。

子供たちだけでなく、その親たちをも見守るようなクラブの監督がいい味を出しています。
親も指導者もどうしたって勝利にこだわってしまって、結果として子供たちがサッカーを楽しめなくなってしまったら勿体ないですよね。

読み終わった後でプロローグを読み返してみると、本多さんの仕掛けに気付きます。

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