青崎有吾さん「図書館の殺人」 [本☆☆]
裏染天馬シリーズ第4弾です。長編で「館」シリーズでは第3弾。今回はやや冗長だったかな。
期末試験中のどこか落ち着かない、ざわついた雰囲気の風ヶ丘高校。試験勉強をしようと学校最寄りの風ヶ丘図書館に向かった袴田柚乃は、殺人事件捜査のアドバイザーとして、警察と一緒にいる裏染天馬と出会う。男子大学生が閉館後の図書館内で殺害された事件らしいけど、試験中にこんなことをしていていいの? 閉館後に、山田風太郎の『人間臨終図巻』で撲殺された被害者は、なんとなんと、二つの奇妙なダイイングメッセージを残していた……。“若き平成のエラリー・クイーン”が満を持して贈る第三長編。
“館”の舞台は図書館、そしてダイイングメッセージもの!
(出版社HPより)
夏休み明け、期末試験(前後期制なので夏休み明けに試験があるんだそうです)と並行して風ヶ丘市立図書館で起こった殺人事件を裏染天馬を解決します。
真犯人は違う意味で意外でしたが、いくつか推理に無理があるかな、という感想です。
とはいえ、天馬が小さな疑問を一つずつ潰しながら行きつ戻りつして論理を積み上げていき、真犯人に辿り着く展開はロジカルで納得いくものでした。
試験期間中のわいわいがやがや感と事件の捜査が交互に描かれ、さらに天馬の推理が一進一退してなかなか核心に到達できないのでその分だけ冗長に感じました。
まあ、このシリーズの楽しみとして天馬と袴田柚乃をはじめとした高校生たちのやりとりが面白く、なかでも1年生と2年生の合同勉強会の様子は笑いをこらえるのに必死でした。
ただ、全体として、今回はそれが少し余計に感じられました。
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