恩田陸さん「酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記」 [本☆☆☆]
飛行機に乗るまでにかなりのページを稼いでいたので、大丈夫かな、この旅行記最後まで
終わるんかな、と思っていたが、面白く読めた。
普通の紀行記ではないね。ビールは飲みまくるし、小説のためのインスピレーションを得ようと
するなど興味のない人にはなんだこりゃという場面が多く出てくる。そういうのを面白がる
気持ちや恩田陸のファンでないと、この辺はどうなんだろ、と思った。
旅行中のトラブルが全くなかったってのも意外。見知らぬ場所でトラブって切り抜けて、が
旅行の思い出のひとつになると思うんだけど。
ブランド買いにも走らないってのも意外。(書いてないだけ?)
それにしても、飛行機嫌いの人の気持ちはわからない。「あんな鉄の塊が飛ぶなんて」とは
よく聞くけど、それを言ったら、自分の存在、いや人類の存在、もっと言うと生命の存在自体が
奇跡なんだから、飛行機くらいなんだっていうんだ。「足元にはなんにもないんだ」というけど、
足を着けていたって、その実在すら怪しいかもしれないのだ。
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