村上春樹さん(文)・佐々木マキさん(絵)「ふしぎな図書館」 [本☆☆☆]
表紙が厚め(ウレタンでも入ってる?)で、でも重くなくてクッション性があって不思議な持ち心地です。
佐々木マキさんのいつものイラストがほのぼのしてなごみます。
村上春樹っぽい不思議世界で、ダークで不条理な物語です。特に結末は賛否両論ありそうな。
主人公の「ぼく」は市立図書館へ本を探しに行きます。地下室の奥で待ち受けていた図書館アドバイザーらしき頑固で偏屈な老人はぼくのリクエストの本を探し出してきますが、その本は貸出禁止。図書館内で読むことを強制されます。老人に連れられていった地下の迷宮の先の閲覧室には羊男が…。
30分ほどで読めてしまう分量なので、ちょっとした息抜きに最適です。不条理ゆえにすっきりした読後感となるかは保証できません。^^;
こんな図書館があったらイヤだなあ、と思う反面、ちょっとした探検気分が味わえる地下迷宮には興味が掻き立てられます。
また、村上作品によくある食べ物のネタは食欲をそそります。今回は羊男の揚げる表面がカリカリで中がしっとりの絶品ドーナツが…夜中に読むのは止めましょう。
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