アーサー・ビナードさん「日々の非常口」 [本☆☆☆]
アーサー・ビナードさんのコラムを読むのは2冊目です。
相変らず日本語がお上手。(っていうか、ヘタな日本人より語彙も知識もあるんだよな。いいのか>日本人)
この本で覚えたのは「運否天賦」という言葉です。他力本願みたいなところはありますが、運命というには大袈裟すぎるし、ごく自然体な雰囲気のその言葉や語感はなかなかいいな、と思いました。
「ダーリンは外国人」のトニーさんに近いような気がするのは『言葉おたく』(失礼!)の雰囲気を感じるからでしょうか。。。
日本語での詩を創作していて、日本の詩・短歌・俳句を英訳して海外に紹介するような仕事をされているので、英語と日本語それぞれの特色といったテーマが多くて、言い回しの妙や1つの意に対する日本語のバリエーションの多さ、そんな日本語をどう英訳するかを苦心する様子が窺えます。
母国アメリカの政治・社会に関する批判もあり、もっともだと思うことも多くありました。それに比べると日本社会や政治に対する批判の文章が少ないのが残念でした。日本にいては気付かないことも多くあるように思い、そういうことをさりげなくでも示してもらえたらとも思います。
言いづらいこともあるでしょうし、本当に耳の痛い話には強い反発があるのかもしれません。そういうことも経験されているのかもしれません。だとしたら、すごく残念なことです。
アーサー・ビナードさんの「日々の非常口」読みました!読んでみるとアーサー・ビナードさんファンになりました。その視点で日常を捉えるか!?というような面白さがありますね!この頃はTVや雑誌などにも頻繁に取り上げられているようですし。
私が個人的に面白く読めて好きなのは「アーサーの日本語徒然草」というWEBコラムです。http://www.web-nihongo.com/
「日々の非常口」がお好きならお時間あるときに読んでみられたらいかがでしょうか。
今、楽しみにしているのは京都の立命館大学で6月17日に行われるアーサー・ビナードさんの講演会です。
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/jimu/80main.htm
アーサーさんの講演会のあと、アーサーさんも参加するシンポジウムがありシンポジウムのメンバーの方も個性的で面白そうなので楽しみにしています!!
by こっつ (2007-05-30 12:12)