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宮崎将さん・宮崎あおいさん「 たりないピース」 [本☆☆]


宮崎あおい&宮崎将 たりないピース

宮崎あおい&宮崎将 たりないピース

  • 作者: 宮崎 あおい
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/05/11
  • メディア: 単行本



2025プロジェクト(http://www.2025.jp/pc/index.html)という、「2025年まで持続可能な社会」を目的とした団体による本です。その趣旨に賛同して、宮﨑将さん・あおいさん兄妹がインド・コルカタを訪れる、という企画ものです。写真集だと思って買うとがっかりしますよ ^^)
階級差別、貧富差というものをテーマにしてます。宮﨑将さん・あおいさん兄妹が現地の人々と交わり、直面する問題に悩み、向き合う真摯な姿勢に好感を持ちました。

ご存知の方も多いかと思いますが、インドにはカースト制度という階級制度が厳然と存在していて、生まれついた階級から脱することはできないのだそうです。
彼らが訪れた場所は、インド社会でも最下層に近い、住む家もなく、道路脇に不法占拠して暮らしている人たちです。そこでは日々の暮らしをするだけで精一杯で、教科書や食費も購うことができないため子供たちも学校に通うことはできません。NPOによる学校にかろうじて通っているのが実態の生活です。

そんな社会を目の当たりにして、宮﨑兄妹は自分たちのできることを考えます。ただし、それがインドの人たちにとって「ためになる」ことなのかどうか、スタッフを交えて議論されます。彼らが目の前の現実に対して「今」できること。けれどもそれはごく一部のごく一時的な事象に対してしか効果をもたらさない。そこになにを見出せるのか。
議論に対する結論は出ませんでしたし、結局のところ、別の事態によって現実としてなにもすることができなかったのですが、目の前で起きていることに対して「なんとかしたい」という気持ちは伝わりました。

中国と並んで急成長を遂げている国インドとのギャップを感じてしまいました。中国のような安価な労働力の提供というものがカースト制度によって妨げられることはないのだろうか。そもそもインドの経済成長がなにによって成されているのか。そういう現状を知らないんですね。

また、これはよく言われることなのですが、国の豊かさを計る指標としてGDPがあるのですが、それによって本当に人はあらゆる面で豊かになれるのだろうか。この手のドキュメンタリーを見たり読んだりするとそう思ってしまいます。
とはいえ、今の生活を放棄することができるかと問われると、進んでそうしようとは思えないのですが。

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