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北森鴻さん「狐罠」 [本☆☆☆]


狐罠 (講談社文庫)

狐罠 (講談社文庫)

  • 作者: 北森 鴻
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/05
  • メディア: 文庫



店舗を持たず、古美術の売買を商う古美術商を「旗師」と呼ぶそうです。美貌の旗師の冬狐堂こと宇佐見陶子を主人公としたミステリです。
北森さんの「蓮丈那智」シリーズや「香菜里屋」シリーズも面白いですが、この「冬狐堂」シリーズもはまりそうです。

旗師としてキャリアを積んだ宇佐見陶子は、同業者の橘薫堂から贋物をつかまされます。それは「目利き殺し」という巧妙な手口によるものでした。陶子はプライドにかけて橘薫堂に「目利き殺し」を仕掛け返すことを決意します。
その頃、トランクに詰められた腐乱死体が発見されます。被害者は橘薫堂の主人 橘秀曳の片腕だった女性でした。警察が捜査に乗り出します。
更には30年前の贋作事件も浮かび上がってきます。

幸いなこと(?)に骨董にはまるで興味がないので、「騙し騙され」の世界に足を踏み入れなくてよかったー、と心底思います。それほどに底なし沼のような世界だと感じました。その分、奥が深くて物語とするには絶好のネタになるような気がします。小説として読む分にはいいですよね *^^*

古美術売買に絡む過去や人間関係のドロドロした闇が暴かれたり、科学的検査を欺くための贋作技術の数々や、登場人物たちの様々な手練手管がてんこ盛りで書かれていますが、本の厚さを感じることなく読み終わってしまいました。

主要な登場人物の深堀りが足りないような気がしないでもないですが、それは続編を読むうちにおいおい見えてくるだと思います。楽しみです。

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