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佐藤多佳子さん「ごきげんな裏階段」 [本☆☆☆]


ごきげんな裏階段 (新潮文庫)

ごきげんな裏階段 (新潮文庫)

  • 作者: 佐藤 多佳子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/10/28
  • メディア: 文庫



「タマネギねこ」「ラッキー・メロディー」「モクーのひっこし」の3編を収録の児童書です。年齢が中学生くらいに上がると、親に反抗したりと登場人物の自我が強くなる作品が多いのですが、まだ素直です。(^^)
佐藤さんの初期作品集ということで、スタンダードな内容になっています。

みつばコーポという3階建て30戸の細長いアパートには通りに面した表階段と、庭を横切らないと通りに出られない裏階段とがあります。当然裏階段を使う住人は少なく、壁はひび割れて手すりは赤錆びています。いつもひっそりとして、怪しい雰囲気に包まれた裏階段は子供たちを惹きつけてやまない魅力を持っています。
そんな裏階段を舞台にしたファンタジーです。

「タマネギねこ」は裏階段で見つけた、なぜか玉ねぎが大好きな野良子猫のノラが裏階段に生えていた玉ねぎを食べると、頭が玉ねぎになってしまいます。ノラが可愛くて飼いたくて仕方ない学とくるみの兄妹と、飼うのに反対の両親もいつの間にか一家を挙げて元の子猫に戻そうと奮闘します。

「ラッキー・メロディー」は、リコーダーが苦手な一樹が裏階段で練習していると、蜘蛛が声をかけてきます。巧みに笛を吹く蜘蛛に一樹はある提案をします。

「モクーのひっこし」は好奇心旺盛なナナが、引越先のみつばコーポで裏階段にある密封されたダストシュートを開けたことから中からけむりおばけが現れて、ナナ一家はけむりおばけに引越の提案をします。

言葉をしゃべる子猫も蜘蛛もけむりおばけも、子供しか見えなかったり聞こえなかったりするのが定番ですが、この小説では大人も見ることも聞くことができて、事件に巻き込まれます。大事件が起きるわけでもなく、どの登場人物(?)ものんびりしていて、読んでいてもリラックスしてしまいます。

子供にはもちろん、大人が読んでも楽しめる作品です。

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