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鯨統一郎さん「浦島太郎の真相―恐ろしい八つの昔話」 [本☆☆]


浦島太郎の真相―恐ろしい八つの昔話 (光文社文庫)

浦島太郎の真相―恐ろしい八つの昔話 (光文社文庫)

  • 作者: 鯨 統一郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/02/09
  • メディア: 文庫



『九つの殺人メルヘン 』の続編とは知らず、先に読んでしまいました。もっとも、短編集ですので実害はなさそうです。

表題作、「桃太郎の真相」、「カチカチ山の真相」、「さるかに合戦の真相」、「一寸法師の真相」、「舌切り雀の真相」、「こぶとり爺さんの真相」、「花咲か爺の真相」の8編です。

日本酒バー「森へ抜ける道」のマスターと常連客の山内と工藤(3人合わせてヤクドシトリオ)と美人大学院生の東子が私立探偵の工藤が抱える殺人事件を推理します。(というか東子の独壇場)
大学でメルヘンを研究する東子は事件を日本の昔話になぞらえて解決していきます。

デビュー作の『邪馬台国はどこですか?』を期待して読んだんですが、残念ながら出来映えはそこまで行っていないと思いました。

昔話を別角度から解釈して斬新な見方をする鯨さんの手腕はすごいし、読んでいて楽しいのですが、構成が。

全体の約半分をヤクドシトリオの益体もないサブカルチャーのトリビアネタ(映画、テレビドラマ、アニメ、深夜ラジオ、フォーク歌手など)が延々と続き、そこから残りのうちの半分が殺人事件の説明になり、残りが昔話の新解釈という構成になっています。
このトリビアネタがほとんどさっぱりわからないんです。年代によっては「懐かしい」となるのかもしれませんけれど、知らない年代にとっては「へ~そう~」と読み流すしかないわけで。

昔話の新解釈については、確かに盲点ともいえる箇所を衝いてきて、歴史上の出来事や神話と絡めるなど読んでいてとても楽しいです。(北森鴻さんの蓮丈那智シリーズに似ているかもしれない)

それだけにもっと楽しみたい! という欲求不満を感じてしまいました。

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