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北森鴻さん「ぶぶ漬け伝説の謎―裏(マイナー)京都ミステリー」 [本☆☆☆]


ぶぶ漬け伝説の謎―裏(マイナー)京都ミステリー (光文社文庫)

ぶぶ漬け伝説の謎―裏(マイナー)京都ミステリー (光文社文庫)

  • 作者: 北森 鴻
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/08/06
  • メディア: 文庫



支那そば館の謎』に続く「裏京都ミステリー」シリーズ第2弾です。

「狐狸夢」、「ぶぶ漬け伝説の謎」、「悪縁断ち」、「冬の刺客」、「興ざめた馬を見よ」、「白味噌伝説の謎」の6短編が収録されています。

登場人物は前回と同じ、かつては関西広域窃盗犯として名を知らしめ、今は心を改めて大悲閣千光寺の寺男を務める有馬次郎を主人公に、自称・みやこ新聞エースの折原けい、バカミス作家で大悲閣に居ついたムンちゃん、大悲閣の住職です。折原けいとムンちゃんが引っ掻き回し、住職が重大な示唆を与えて、有馬次郎が事件を秘密裏に解決するパターンは変わっていません。
このシリーズから、有馬次郎の元仕事仲間で今はバーテンダーをしているカズさんが加わります。

ミステリのタネ明かしもさることながら、このシリーズのお楽しみは2つあります。
1つは折原けいとムンちゃんの繰り広げる夫婦漫才っぷり。折原けいは前作ではムンちゃんのことをバカにして軽蔑してた記憶があるんですが、今作では一緒になって暴走しています。まぁ、元々自走式爆弾娘だったわけですから、資質があったんでしょう。「冬の刺客」ではとうとう大チョンボをやらかしてしまいます。懲りてませんが。
2つ目はなんといっても登場する料理がおいしそうなことです。寿司割烹「十兵衛」で供される料理の数々は垂涎モノです。鱧、河豚、湯葉、お茶漬など京の四季折々に合った、実に手の込んだ料理が紙面に展開されます。空腹時に読んだら気が狂うかもしれない。(香菜里屋シリーズもそうですが、グルメを描かせたら北森さんに太刀打ちできる人がどれだけいるだろう) 

このシリーズはどうしてもミステリがそっちのけになってしまうのですが、こちらも手抜きは一切なく、北森さんの発想力に脱帽してしまいます。

何度か京都には行っているのですが、渡月橋方面には足を伸ばしていません。渡月橋から徒歩20分、そこから傾斜のきつい階段を約200メートル登って大悲閣を参拝してみようかな、と思っています。騒々しい連中はいないと思いますが。

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