伊藤たかみさん「ぎぶそん」 [本☆☆☆]
直球勝負の青春小説です。
音楽、特に演奏のことはよくわからないんですが、バンドにかける熱い気持ちが伝わってきます。
中学2年生のガクはガンズ・アンド・ローゼズの演奏に衝撃を受けて仲間とバンドを結成します。
メンバーはリーダーでギター兼ヴォーカルのガク、ギターのかける、ベースのマロ、ドラムのリリイ。
テクニシャンのかけるに対するガクの羨望や嫉妬、かけるへのマロの反発、紅一点のリリイとガクの恋…などを絡めながら彼らは秋の文化祭での演奏に向けて突っ走ります。
昭和から平成にかけての時代設定なんですが、青春ものというのはあまり時代は関係ありませんね。
男子はバカだし、女子はおませです。それでいて真っ直ぐです。(今はもう少しクールなのかな)
携帯電話もメールもない時代ですから、コミュニケーション手段も今ほどドライじゃなくて、声を直接聞く、顔を合わせて話をする。そうやって距離を縮めていく。そうやって積み上げていく友情や恋愛は確かなんだろうなぁ。(オヤジになってしまった ^^;)
なにか大きな事件があるわけでない中学生の日々なんですが、彼らにとっては日々の出来事が大事であり、文化祭の演奏というものが大イベントなわけで、演奏前~演奏中~演奏後の(心理)描写は熱いです。
大人が読んでも楽しめる作品です。
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