大崎梢さん「プリティが多すぎる」 [本☆☆]
ミステリではなくお仕事小説でした。
大崎さんの作品ということで読んでみたのですが、残念ながら個人的に合いませんでした。
総合出版社で文芸部門を志望していたのに少女向けファッション誌に配属された南吉くんこと新見佳孝、26歳。女の子の憧れが詰まった誌面は勝手が異なり失敗の連続だが、先輩編集者にカメラマン、スタイリスト、十代の少女モデルたちのプロ精神に触れながら次第に新見は変わっていく――。舞台裏のドラマを描くお仕事成長物語!
本意でない職場に配属されるというのはサラリーマンではよくあることで、腐らずにやっていくというストーリイは王道だと思います。
しかし、26歳男子が少女向けファッション誌へ配属されるというのは厳しいですよね。
出版社単体ではなく、アパレルメーカーや代理店やモデル事務所といった関係者があるという辺りは業界の裏側を描くという大崎さんの作品にみられるもので、多少興味深く読みました。
少女モデルが幼いうちから熾烈な競争に晒されていることに、芸能界に照らし合わせてみると納得してしまいつつもその厳しさが大人が生み出したということに釈然としないものを感じました。
ただ、題材は面白いものの、根幹的な部分のストーリイ展開や主人公の設定もありきたりで物足りなさはありました。
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