青山七恵さん「花嫁」 [本☆]
とても読みやすく、意外性もありつつ、「家族とは」を問いかけるものでしたが、どうも相性が合わなかったようです。
長男が結婚することになった若松家には、不穏な空気が流れている。妹は反対し、父は息子を殴り、母は花嫁に宛てて手紙を書き始めた。花嫁の訪れをきっかけに、仲良し家族の仮面が次第に?がれていく。愛が契約に、兄妹が男女に、家族が単なる集団に反転し、最後に残るものとは? 信じていたものに裏切られ衝撃に襲われる、恐るべき暴走家族小説。
(出版社HPより)
ひとつの集団としての家族に、嫁(あるいは婿)入りすることは「異分子(さらにいうなら「異物」)」な存在であり、波風が立たないわけがないのですが、この物語は予想をはるかに超える大津波が発生します。
惹句通りに暴走小説と呼ぶに相応しいと思います。
ただ、個人的好みとして、相性が合わなかったです。
気持ち悪さ(というより、キモい、というほうが感覚として近い)が拭えませんでした。
妹、兄、父、母の順番で4章を語り分けるのですが、語り手でなくなった途端にそれまでの存在感がなくなってしまうように思えます。
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