火坂雅志さん「常在戦場」 [本☆☆☆]
昨年のことですが、山本兼一さんに続いて、火坂雅志さんが亡くなられました…愛読していただけに残念でなりません。
「ワタリ」「井伊の虎」「毒まんじゅう」「梅、一輪」「馬上の局」「川天狗」「常在戦場」の7編が収められています。
家康の周囲には異能異才の者たちがいた。行商人ワタリの情報と絶対的な忠義で仕えた島居元忠、馬上の局と呼ばれ戦場にまで赴いた阿茶の局、「利は義なり」の志で富をもたらした角倉了以など七人を描く傑作短篇小説集。牧野忠成は戦の大失態の後、影働きで功を上げた。常在戦場、手柄は合戦場の外にもあるのだ。
(「BOOK」データベースより)
徳川家康の家臣を扱った短編集です。
鳥居元忠、井伊直虎、石川数正、大久保忠隣、阿茶の局、角倉了以、牧野忠成がそれぞれの主人公です。一部、家臣ではないかとは思いますが。
家康の家臣は多種多彩な人材が揃っていたんですね。一向一揆に出奔したり、秀吉にヘッドハンティングされたり、女性ながら頭領になったり(2017年の大河ドラマ「おんな城主直虎」)。
それだけにバラエティに富んだ作品になっています。
バラエティに富んでいるだけでなく、人間の生き様、信念を貫き通す意志、人心掌握術といったものも描かれています。
なかなか奥深い作品集でした。
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