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同情の余地はあるけれど ~W杯2次予選 対カンボジア代表戦 [サッカー!]

テレビ中継で「格下」を連呼していたアナウンサーがいちばん相手をリスペクトしていなかったように思います。

スタメンを大幅に入れ替え、人工芝のピッチ、ベトナム製のボールという慣れない環境という要因に加えて、ゴール前ドン引きの戦術で臨んできたカンボジア代表に苦戦しました。

試合を通してぎこちなさしか印象に残りませんでした。
連係が取れないために足元へのパスが多くなり、スペースを狙ったパスは意思疎通が取れない。密集地帯で有効なワンタッチパスでの打開は意志と精度を欠いたものになっておよそ代表戦とはいえない代物でした。

シンプルにクロスを入れようにも高さのある選手がいない。崩してのクロスでないので、相手DFとのギャップが生まれず、1トップの岡崎選手の得意な形に持ち込めない。
両翼に配置された宇佐美選手、原口選手のドリブラーも個人技での突破ができずにいました。
ボランチで起用された山口選手、遠藤選手からDFラインの裏を狙うパスが出るのですが繋がりません。
チャンスらしいチャンスは前半終了前の藤春選手のポスト直撃のシュートだけでした。

逆にカウンター狙いの相手にボールを奪われて前掛かりの態勢を衝かれます。
相手FWのスピードにCBが翻弄され、イエローカードをもらうファウルでしか止められない有様です。サポートも遅く、リスクマネジメントができていたとはいいがたいものでした。

そんな中で後半から出場した柏木選手が好機を演出しました。
引いたポジションから精度の高い長短のパスを繰り出すことで守備ブロックにスペースを作ります。
獲得したPKは相手GKに防がれましたが、FKがオウンゴールを奪って先制します。
更に交代出場した本田選手が1トップばりのポジションをとってボールを収める効果もあり、試合終了間際に追加点をあげました。


アジアにおける日本の戦い方の悩みは、予選段階とW杯本番でのサッカーが真逆であることだと思います。
予選では強者であっても、W杯本選では弱者の立場になります。
予選で確実に得点をあげるには高さのある選手をターゲットに置くのが近道ですが、世界では易々と封じ込められてしまいます。かといって世界クラスの高さと強さを併せ持ったフォワードがいないのが現実です。
であれば世界で戦うための俊敏性と組織力という日本人の特性を活かしたサッカーを標榜するしかないのですが、予選では相手ディフェンスの人垣の前に埋没してしまいます。
改めてこの問題が浮き彫りになった試合だったと思います。

そして、試合に出場したほとんどの選手がこの問題を解決できる答えを持ち合わせていなかったことも。
チームの底上げと世代交代、どちらの課題にも追試が必要なようです。

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U3

辛口ですが的を射た説明ですね。
日本代表の将来を暗示しているようです。
打開出来るキーマンはいないのでしょうか。
by U3 (2015-11-18 21:33) 

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