有川浩「レインツリーの国」 [本☆☆]
図書館戦争シリーズの中で同名の小説が出てくるそうです。図書館戦争シリーズは読んでいませんが、もちろん大丈夫でした。
きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。共通の趣味を持つ二人が接近するのに、それほど時間はかからなかった。まして、ネット内時間は流れが速い。僕は、あっという間に、どうしても彼女に会いたいと思うようになっていた。だが、彼女はどうしても会えないと言う。かたくなに会うのを拒む彼女には、そう主張せざるを得ない、ある理由があった―。
(出版社HPより)
この本に関しては、解説を先に読むことはお勧めしません。ネタバレほどではありませんが、ひとみの隠していた秘密(ほどではないけれど)が明かされるまでの主人公の伸の戸惑いをともに感じるという過程が半減してしまうからです。
恋愛ものとしてはスタンダードなものだと思います。
ネットで知り合い、実際に会って恋愛感情を抱く。そこにひとひねりを加わえることで、ただのラブストーリイでなくなっているように思います。
感情をぶつけあう。互いを理解し合う。現実にはなかなかできることではないと思います。
メールや会話の(いい意味での)軽さが重くなりがちな物語を軽減しているように感じました。
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