加納朋子さん「はるひのの、はる」 [本☆☆☆]
ささらシリーズ最終作です。
ユウ坊、大きくなったなあ。サヤは相変わらず、いろんな意味で。
「はるひのの、はる」「はるひのの、なつ」「はるひのの、あき」「はるひのの、ふゆ」「ふたたびはるひのの、はる前」「ふたたびはるひのの、はる後」「四つ辻の幽霊-ささらさや番外編-」の7編が収録されています。
大きくなったユウスケの前に、「はるひ」という名の女の子が現れる。初対面のはずなのに、なぜか妙に親しげだ。その後も「肝試しがしたい」「殺人の相談にのって」と無理難題を押し付ける。だが、ただの気まぐれに思えた彼女の頼み事は、全て「ある人」を守る為のものだった。時を超えて明らかになる温かな真実。ベストセラー「ささら」シリーズ最終巻。
(出版社HPより)
「ささらさや」「てるてるあした」に続くシリーズ3作目にしてサヤの息子のユウスケが主人公です。赤ん坊だったユウスケが最後には高校生に。
個人的に大好きな佐藤正午さんの『Y』に似た作品です。
いろいろと不明点や突っ込みどころがあるんですが、それを超えるだけのストーリイ展開や加納さんの仕掛けにやられてしまいました。
「はる」「なつ」「あき」「ふゆ」「ふたたびはる(前後編)」という季節とともに巡る物語と結末が計算され尽くしているように思います。
心温まる物語です。
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